DAYS
第41章 メレンゲクッキー S×N
本当に嫌がってるように見える
和から体を離して、様子を見ることにする。
和の視線が完璧にゲーム画面に戻ってから、
小さくため息をついた。
…あれ?
なーんかピリピリしてんなぁ…。
もうちょっとこのまま甘えてたら、
いつもみたいな甘い空気になる。
なんて考えてたんだけど、
今日の和は何だか違う。
「和、お風呂入る?」
「俺はいい。」
「じゃあ先に入ってくるよ?」
「ん。」
「一緒に入る?」
とうとう返事も返ってこなくなった。
…返事くらいくれてもいいのにな。
ちょっとカサついた気持ちになるのは
致し方ない事だ。
何せ久しぶりに、こんな早い時間に
二人揃って仕事が上がったんだ。
「もうちょっと…なぁ。」
こんな事が今までなかった訳じゃない。
なかなか普段からツンツンしてるしね?
「はぁ…。」
風呂場でもう一度大きく息を吐いて、
湯船にブクブクと沈んだ。
風呂から上がれば、和がすぐに
飛びついてきて
「翔!」
ぎゅっと抱きしめられた。
いきなりの行動に驚きまくる俺。
「ごめんね…。」
しがみつく和の背中を抱きしめる事しか
出来ない。
「どうした?」
「…嫌いになんないで…。」
小さく肩を震わせる和の髪を撫でる。
泣いているのが分かった。
さっきとは打って変わった様子を
不思議に思ったけど、ただぎゅっと
抱きしめて
「大丈夫。」
そういうしか出来なかった。