DAYS
第42章 カオリ M×N
「和ってさ、俺の隣にいるとさ、
ずっと鼻をクンクンしてるよね。」
犬みたいで何か可愛いんだけどね。
そう言うと、俺の髪の毛をクシャっとして
潤くんもクシャっと笑った。
仕事が終わって、潤くんの家に来てて、
ソファーで座る隣には潤くんがいる。
「え?そう?」
「うん。ずっとだよ。
気がついてないの?」
「…うん。」
何て嘘。
潤くんにそれがバレてるのは驚いたけど、
自分の行動に気が付かないはずがない。
だって好きなんだもん。潤くんのカオリ。
「そんなに好き?俺の匂い。」
自分じゃ分かんないからなぁ、って
自分の体をクンクンと嗅いでる。
その仕草も様になってて、
可愛いのに格好いいなぁ…なんて思うあたり
俺はかなり惚れてるんだと思う。
「女の人って、匂いとかカオリで
本能的に相手を選んでるんだって。」
「そうなの?」
潤くんが切り出した話に、思わず
ゲームしていた手を止めた。
「その人の匂いとかカオリに
惹かれるのってさ、自分の遺伝子との
相性があってね。
女の人は生殖のために嗅ぎ分けるん
だって。惹かれる匂いは、自分と違う
タイプの遺伝子を持ってる事が多い。
そうやって、子孫を強くしていくん
だって。面白いよね。」
「へぇー…。」
「男にも多少それがあるのかもね。
じゃあ和って、俺に遺伝子レベルで
恋してるんだ!」
嬉しそうに、眩しい笑顔のまま
俺を強く抱きしめた。
あぁ、また。
このカオリに酔って、俺はもっと
潤くんが好きになる。