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DAYS

第1章 日常 N×A



くてっと力の抜けた雅紀の隣に、
俺も気怠い体を倒す。

「ふぅ・・・。」

ゆっくりと息を吐いて、
もう半分夢の中の雅紀を見つめる。

時々、不安になることがある。

俺、正直じゃないから。
不安にさせてるんじゃないかって。
傷つけてるんじゃないかって。

でも、そんなの結局逃げてるだけで。

隣から、すーすーと寝息が聞こえる。
いつ見ても、その顔は幸せそうで。

雅紀を見たら、
これでいいんだなって。
幸せに出来てるかなって、自信が持てるから。


する度に、見る度に、触れるたびに、
もっともっと好きになる。
好きに限度って無いんだなって、
毎日感じられるのも幸せなんだ。

「愛してるよ・・・。」

こんな時にしか言えないって、ずるいと思う。
でも、こんなに幸せな顔をされたら、
言ってもいいかなって、
言わなくちゃいけないかなって。

・・・でも恥ずかしい・・・。
一人でベッドの上で悶えていると、

「俺もっ、愛し・・・っしてるよっ。」
「え!?」

聞かれて・・・。
って、雅紀泣いてる!?

「ちょ、雅紀、なんで泣いてるの!?」
「っ、・・・だって、愛してるって・・・っ。」

そんな雅紀がすっごく愛おしくて、
自分の胸に引き寄せる。

「嬉しくって・・・っ。」
「聞いてたの?って、起きてたの?
言ってくれたらよかっ・・・。」
「だって、和も聞いてたじゃん。」

そうでした。雅紀に正論を言われて言葉が詰まる。

「いつも・・・素直に言えなくてごめんね?」
「ううん、・・・っ。」

首を大きく左右に振ってる。
そんな動作でさえ、可愛くて。

「大好きだよ。」


何気ない日常。

二人の日常。

かけがえのない日常。



-enb-

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