DAYS
第7章 crazy for you M×N
目が覚めると潤くんの顔。
「あ、あのまま寝ちゃったのか…。」
いつの間にか、ちゃんと浴衣を着てる俺。
体も不快なところは何一つなくて。
潤くんが世話をしてくれたんだ…。
いつもそうだ。いくら自分が疲れてたって
絶対に体を綺麗にしてくれてる。
優しいから、潤くん。
ありがとう。って潤くんの寝顔に
ぽそって言ってみる。
潤くんの顔、綺麗だなぁ。って、
そっと手を伸ばして触れようと指を動かすと
手にいつもと違う違和感。
左手を見てみれば、
「え…指輪?」
薬指には、朝日に照らされて
一層輝いてるシルバーリング。
…潤くん、だよね?
困惑とか、驚きとか、喜びとか、嬉しさとか
とにかくたくさんの感情に突き動かされて
「潤くーん…。」
「んっ。わっ…。和?」
まだ寝てた潤くんに思いっきり抱きついた。
「潤くん、指輪…。」
「ん…?あ、あぁ。」
まだちゃんと目が開いてないところが可愛い。
潤くんが左手をすっと出したかと思うと、
その薬指にもシルバーリングが見える。
「これ、ペアリングなの。」
「ペア…?」
「うん。和の、女性用になっちゃったけど…。
形に残るものがいるかな、って思ったから。」
朝からキラキラした笑顔で言う
潤くんが眩しい。
「あの日、遅くなったのもね、指輪を
選びに行ってたからなんだ。」
「…そうなの?」
「うん。和のこと考えて、真剣に選んでたら
時計見るの忘れちゃって…。」
ごめんね。って申し訳なさそうに言う潤くん。
「謝らないで。嬉しっ、から…。」
そんなこと聞いたら、涙が止まんないよ。
「あー。泣かせちゃった…。」
優しい笑顔でぎゅっと俺を引き寄せて、
ぽんぽんと背中を叩いてくれる。
「和。」
「ん?」
潤くんが改まって、いきなり正座をした。
かと思うと、俺のほうを真剣な瞳で見て、
「結婚しよう。」
「…潤く、んっ。んっ。ふっ。」
「あーあー、泣かないの。
…返事は?」
「うん…。俺もよろしくね?」
さっきよりも、暖かい空気が流れる部屋で
ずっと、ずーっと抱き合ってた。
これからは、俺が毎朝味噌汁作るね♡
-end-