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DAYS

第8章 一番 S×A



A side


「あのー…。」
「ん?」

いや、ん?じゃなくって!


「何でこんな状況なの!?」
「何でって…。

雅紀が、なーんでもしていいって
言ったからでしょ?」


耳元で、吐息混じりの声で囁く翔ちゃん。
俺のことを全部知り尽くしてるような、
そんな自信たっぷりな顔で俺を覗き込んでる。


「でも、これは嫌だよ…。」


泣きたくなってくる。
…もう泣いてるけど。


「なかなかいい眺めだよ…。」

ふふって笑った翔ちゃんの声に、
冷たい何かが、背筋を這い上がった。


ベッドの上。
縛られて身動きが取れない。

俺を拘束する紅の紐は、
動けば動くほどに食い込んできて。

紐が擦れる部分から、体がどんどん熱くなる。


「も…、恥ずかしいよ。」
「綺麗だよ、雅紀。」


服を着たまま縛られてるから、
この体勢だけじゃなくて
服装も恥ずかしくて、翔ちゃんの顔なんて
見ることが出来ない。


「やだぁ…。」
「厭らしいなぁ、雅紀は。」

翔ちゃんが、じーっと俺の方を見てる。
それだけで恥ずかしくて。

俺の下のモノが、むくむくと反応
してきてしまう。


「あ。雅紀、こんな状況なのに
勃ったっちゃの?」
「あっ。やだ、見ちゃやだ!」

脚を閉じようにも、紐が邪魔して
閉じることが出来ない。


「無理だよ。諦めろ♪」

何でそんなに楽しそうなの…。


M字開脚をさせられて、
その上ナース服着たまま。

恥辱的な行為なのに、感じてしまう俺。
そんな自分がちょっと嫌になる。


「ね、もう解いて?」
「だーめ。俺が満足するまで
解いてやんない。」

いつになく意地悪。

やっぱり怒ってるんじゃん。
画面の中の自分に、怒らないでよ。


「翔ちゃん、今日意地悪だ…。」

何を言っても、軽く笑って流されるだけ。

体は疼くのに何も出来ない。
後ろで高く縛られて、動かせない腕。
翔ちゃんも、少しも触れてくれなくて。


「泣いてたって分かんないよ。」

俺の正面に寝転がって、肘を立てて
ずっと俺の方を見てる。

もう言っちゃえよ。って言ってるような、
その目にぞくってする。
薄く笑う口元に、頭がぼーってしてくる。

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