DAYS
第8章 一番 S×A
「自分にヤキモチ妬いた。」
「ふぇ?」
きょとんとして、大きい黒目を
もっと大きくして俺を見てる。
「なんでー」
「だって。雅紀、ずっとテレビの俺
ばっかり見てるから。」
「あ…。」
思い当たる節があるのか、しゅんと
下を向いてる。
「それで…寂しくなった。」
「翔ちゃん…ごめんね。」
泣かなくていいよ。
俺も意地悪しちゃったから。
「泣くなよ。」
雅紀の肩を掴んで顔を上げさせると、
涙で濡れた頬をスウェットの端で
拭いてやる。
「ぅん。っ。ふっ。」
「雅紀。」
色っぽいその唇に、誘い込まれるように
深いキスをする。
「んん…っ。ふ、しょ、ちゃ…っ。」
吐息混じりに、俺を呼ぶその声。
もっとその声で俺を呼んで?
もっとその甘い声で呼んで?
もっと気持ちよくしてあげるから。
名残惜しく唇を離すと、
雅紀が膝から、かくっと崩れ落ちた。
「ちょ、雅紀?」
「も…力入んなくなっちゃった…。」
「そんなに気持ちよかったの?」
にやりと笑って聞けば、
「っ!翔ちゃんのバカ!!」
真っ赤な顔して、抗議してくる。
いや、それ可愛いだけでしょ。
俺の胸をどんどん叩いてくるけど、
気にならない。
格好が、格好だし?
「バカってひどいなー…。」
「だって翔ちゃんが
そんなこと言うんだもん。」
口をつんと尖らせて、ぶーぶー言ってる。
床に座り込んだままの雅紀。
両足を横に流すように座っていて、
長い足がすーっと伸びてる。
漂う色気が半端なくやばい。
「俺は雅紀に触れたくて仕方なかったから
キスしたのに、雅紀は違うんだ。」
「あっ、いや、そのっ。」
自分でも意地悪だな、って思う。
だって困ってる雅紀、可愛いいんだから。
「ヤキモチ妬かされたし、
バカ呼ばわりされるし…。」
「ごめんなさい!」
ちょこんと正座して、謝ってる。
「んー…。」
全然怒ってなんかない。むしろ可愛い。
だけど、
「どうしよっか。」
最高級の笑顔で聞くと、
「何でもするから許して。」
懇願する瞳は濡れてる。
「なーんでも?」
雅紀の体がぶるっと震えた。