DAYS
第10章 ためらいは捨てて S×N
S side
「デートしたい。」
「へ?」
最近は、なかなか忙しかったから
久々のオフ。
時刻は深夜の3時前。
体は少しだるい、幸せな余韻で満たされてる。
ベッドの上で、激しい行為の余韻に浸って
いた。やっぱり久しぶりだったから、
そのー…盛り上がっちゃって。
会えなかった分をありったけ、
全部吐き出して打ち付けたセックス。
そんな時だった。
「翔、デートしたい。」
「え、あ、うん…?」
「ディズニーランド行きたい。」
「いや、え!?それは…。」
さっきイッたばかりの俺の体も、和也の体も
熱くて。
俺の腕枕の中で、呼吸を整えるように
荒い息を繰り返してる。
「だって、バレたらやばいー」
「分かってるけど…。」
拗ねたように、俺にくるんと背を向けて
小さく丸まってしまった。
俺たちは、芸能人でアイドルだから。
それなりに知名度もあるし、安易に出歩く
事なんて出来ない。
しかも、嵐のメンバー二人でなんて。
もし見つかったらパニック状態になる。
プライベートだから余計にね。
寂しい想いをさせてるのは分かってる。
本当は、堂々と手を繋いで街を歩きたい。
和也と一緒に、どこへだって行きたい。
和也の望むところ全てに。
「ディズニーランドで?」
「ディズニーランドがいい…。」
やっぱりこっちは向いてくれないままだし。
「でもいいの。我儘だし。
困らせちゃってごめんね。」
またくるんと向きをかえると、俺の方に
向いて、正面からぎゅっとハグしてくれる。
その腕の力の強さは、我慢の証拠で。
和也はいつもそうだ。
色々言いたいことを言っているようで、
人が困るような事は絶対に言わない。
自分のことを犠牲にしてまで
他人を尊重しようとするから。
「そんなことないよ。」
そういって、和也の何倍もの力で抱きしめた。
華奢な体はすぐに壊れてしまいそうで。
消えてしまいそうで。
だけど、こうやって捕まえていないと
どこか遠くへと飛んでいってしまいそうで。
「愛してるよ。」
「…うん。」
愛のある言葉も枯れてしまいそうなくらい、
空気が乾いてる日だった。