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DAYS

第10章 ためらいは捨てて S×N



S side



玄関に入った途端、後ろから抱きしめられた。


少しもじもじした様子で、

「翔…。」

なんて。堪んないでしょ?


期待で満ちた目と目を合わせながら、
ゆっくりとキスをする。

触れるだけだったキスが、どんどん
深くなっていく。


「んんぅ。…はっ。ふぁ。」


力の抜けた体を、俺の方に預けてる。


唇を離そうとすると、俺の舌を
和也がちゅっとするように絡めてくる。


可愛い過ぎるだろ。

甘い息を吐きながら、


「はぁ…あっ、しょ…う、んっ。」


俺の名前を呼ぶ和也が愛おしくて。
抱きしめる腕に力を込めて、
和也の口内を、さっきよりもずっと
深く味わう。


かくん、と和也の膝が折れて
膝から崩れ落ちそうになってる。

慌てて腰に手を回して、
和也の体を支えた。


「…っと。…和也?」
「はっ。はぁ。んぅ…。…翔。」
「ん?」
「も、ダメ…。」


熱に魘された瞳。
少し頬を紅くして、こっちを見てる。


ふわふわと揺れている髪が、
妙に色気を増していて。


いつになく、甘い香水の香りに
思わずくらっとした。


「どうしたの、和也…?」
「もうね、っ。我慢出来な…っ。ふっ。」


ぼろぼろと涙をこぼしながら、
必死に訴えてくる。


その瞳に、心臓がどくんと跳ねた。


「だから…ね。」
「…ん?」
「ベッド、行こ。」


今日の和也は、どうしたんだ。


「でもね…。」
「うん。」
「も…立てな…っ。」


うん。…うん。うん。


「抱っこぉ…。」


ほら、きた。

この子、可愛い過ぎるでしょ?
堪んないでしょ?


すっかりぱたんと床に座り込んで、
動こうとしない。


腰を手を回して、和也の膝の裏にも
手を差し込んむ。

そのまま和也の体を持ち上げる。


「…ちゃんと捕まってろよ。」


首に腕を回して、ぎゅっとしがみついてる
和也。その分、いつもよりも和也の顔の
距離が近くて、ドキドキする。


寝室までの数歩の距離も、
もうどうしようもなくもどかしい。

抱きついてじっとしたままの和也。


時折、

「はぁ…っ。」って、熱い息を吐いてる。




寝室まであと一歩。

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