DAYS
第13章 愛のままに わがままに N×M
M side
最近、和が冷たい。
いつもなら、楽屋で隣に座ってくれるのに
ここ最近はそうじゃない。
テーブルを挟んだ斜め前の席に座ってる。
遠くもない。
かといって近くもない。
その微妙な距離のとり方が
いかにも和らしくて。
余計に寂しくなる。
「ねぇ、ニノ。」
「…何?」
声をかければ返事はしてくれる。
だけど、ゲームをしてる手を
止めてくれることはない。
「あ、いや。」
「もー、何なんですか。」
俺、今ゲームで忙しいんです。
そう言って、またゲーム画面に
釘付けになってる。
「松潤も大変だね(笑)」
隣でコーヒーを飲んでる相葉くんが、
和には聞こえないくらいの小さな声で
話しかけてくれた。
「うん…。何なんだろ。」
「最近多くない?」
「うん…。」
「あんまり考え過ぎんなよ。」
頭をぽんっと優しく撫でてくれる。
表向きは、割と甘えてる側に見える
相葉くん。
だけど、本当はそうじゃないんだよな。
こうやって、俺を見守ってくれるような
お兄ちゃんみたいな存在。
上の2人も、もちろんそうなんだけど
でもその2人とは違う優しさ。
相葉くんの優しさは、
人を素直にさせる気がする。
それから暫く、相葉くんと話してた。
その間、ちらちら感じる視線。
誰のものかなんて、分かりきってる。
ゲーム画面から、目を光らせてるソイツ。
怖いんだってば。
だけど、
「どうかした?ニノ。」
「…何でもないです。」
どうしろって言うんだよ。
はぁ、って思わず大きなため息をついた。
そしたらすかさず、
「あ。松潤の幸せ 逃げてったね。」
「うるさい。はぁ。」
「あ、また逃げたよ。」
リーダーが子供みたいに
きゃっきゃと笑ってる。
「深く考えるな。感じるんだ。」
隣の相葉くんは、独特の感性で
相葉ワールドを炸裂させてる。
「何だそれ(笑)」
3人で爆笑して、そんな感じで
ごちゃごちゃ戯れてたら、
がたんって、椅子を引く音。
「ニノ。どっか行くの?」
「…トイレです。」
リーダーの問いにも冷たく返して、
楽屋を出ていった。