
DAYS
第13章 愛のままに わがままに N×M
「八つ当たりなんて、
してないでしょ?」
頭をぽんぽんと撫でながら、
和に聞くと、ぶんぶんと顔を横に振ってる。
「ヤキモチ妬いてね、っ。
それでね、潤にねっ。八つ当たり
しちゃったぁ…。
無理させって、ごめ、んっ。」
必死に言葉を紡いで
俺に伝えようとしてくれてる。
確かに、今までにないくらい
昨日の和は激しかった。
だけど…
「謝んないでいいよ。
嬉しかったんだ。」
「…ふぇ?」
うるうるさせた瞳で、
俺を上目遣いで見つめてくる。
「だって、あんなに俺の事
好きなんだろ?
思ってくれてるんだろ?
普通に嬉しいよ。」
「じゅんーー…。」
俺に飛び付いてくる和。
俺の胸に顔を埋めて、
小さく体を震わせてる。
「ぅおっと。」
「潤、ごめっんね。」
「もー…。謝んないでいいよ。
それより別の言葉が聞きたいな。」
俺のその言葉に、顔を上げて
一瞬きょとんとした顔をした。
しばらく考えた様子だったけど、
分かったみたいで、
「潤、ありがと。」
「うん。」
「大好き。」
「え!?」
「愛してる。」
いつにない素直な和の
愛の言葉に、焦るのは俺。
「愛してるの。
俺が!誰よりも!
潤のこと、大好きなの。」
叫ぶような愛の告白。
涙でぐちゃぐちゃになった顔。
そんな和も、可愛い和も、
俺を組み敷く和も、全部好きだよ。
「うん。俺も。
愛してる、和。」
「ずっと一緒に居てねっ。」
「うん。ずっとな。」
ずっと。
その言葉に、和の涙は
ますますぼろぼろと流れてく。
そんなに不安だったの?
もっとちゃんと和に伝えないとな。
恋人、1番大切な人に、
『大好き』『愛してる』って。
静かになったなぁ、と思ったら
「寝ちゃったか…。」
泣き疲れて、俺の腕の中で
くーって寝てる。
涙で頬が濡れてるけど、
その寝顔は凄く幸せそうで。
この場所を。
この空間を。
この時間を。
守っていこうと寝顔に誓って。
眠ってる天使に、そっと口づけた。
-end-
