
DAYS
第13章 愛のままに わがままに N×M
M side
「んん…。」
眩しくて目が覚めた。
あ、カーテン閉めるの忘れてたんだ。
今日休みだし、もうちょっと寝たいなぁ。
久々だもんな。
「…あれ、和は?」
一緒に寝たはずなのに、
和の姿が見えない。
和がいたであろうベッドの上には
俺1人だけ。
いつも和が寝てる、ベッドの右端に
触れてみるけど、だいぶ冷たくなってる。
その時、リビングの方から
物音が聞こえてきた。
「もう起きてたのか…。」
怠い体を何とか起こして、
ゆっくりと歩こうとするけど、
「ったた。」
腰が痛い。
とにかく腰が痛い。
「どんだけヤったんだよ…。」
じんじんと響く腰の痛みに
耐えながら、半ば這うように
リビングまで向かった。
「和ー?」
ドアを開ければ、ガチャガチャと
騒がしい音で溢れてるキッチン。
「潤!」
「和、何してんの。」
キッチンを見れば、料理本と
1人格闘してる和の姿。
「あー!和、焦げてる焦げてる!」
「わっ!どうしよ。」
普段料理なんかしないクセに、
何してんだか。
「俺が変わるから。ね?」
「やだ。俺がするの!」
「いや、だって和料理出来なー」
「俺がするの!!」
って言って聞かないし、
それどころかさっきよりも焦ってるから
キッチンが凄いことになってる。
「ね。和、座ってて。
大丈夫だから。」
「…。」
しょぼんってなって
とぼとぼとリビングに歩いていく。
その姿からは、昨日の激しい
和からは想像出来なくて、
くすっと笑いが漏れてしまう。
「うわぁ…。」
思ったよりも荒れてるな、
このキッチン。
何作ろうとしてたのかは、
何となく分かるけど…。
何、この物体は。
「はい、ご飯出来たから。」
「潤。ごめんね…。」
「いいから、大丈夫だよ。」
「ごめん、ねっ。っく。」
「あー、もう泣かないの。」
ソファーに体育座りをして
ひっくひっく言ってる和。
「もー…。大丈夫だよ。」
「違っう、俺ね、潤に
八つ当たりしてねっ、無理させ
ちゃった…からっ。」
八つ当たり…??
