DAYS
第15章 SUPER LOVE SONG A×S
少しの間、雅紀はフリーズしてた。
だけど、すぐに
「じゃあ…いこっか。」
よいしょって俺を抱えあげた。
「わ!」
「短い距離だけどさ、
雰囲気出ない?何か。」
こういうの、さらって出来るところとか
本当に格好いいよね。
そっと。
大切な宝物を扱うみたいに、
俺をベッドに下ろした雅紀。
「…本当にいいの?」
俺を見下ろしてる瞳が揺れてる。
…緊張、してるんだね。
「うん。いい。」
「怖くない?」
「…怖いけど。
雅紀だもん。
大丈夫だろ。」
覚悟はとっくの前に出来てる。
ここまでの道のりが長かったんだぞ。
「翔。」
ゆっくりと重なる唇。
それだけで、少し体が跳ねる。
それだけじゃ足りなくなって、
自分から舌を絡ませる。
「ん、っ。」
雅紀から、小さな吐息が漏れる。
それだけで、ゾクゾクする。
唇を離せば、
銀の糸がつーっと伸びてる。
「翔。」
俺の名前を呼びながら、
俺の上に覆いかぶさってくる。
キス、くれるの?
雅紀のキスは、好き。
甘いんだ、すごく。
やみつきになるくらい。
目を瞑って待ってると、
俺の体に感じるのは雅紀の重さ。
それも愛おしくて。
なんだけど。
雅紀は一向に動かない。
「まさか…。」
ゆーっくりと雅紀の体を起こすと、
「もーーーー!!
寝てるし!」
俺に全部を任せきって、
安心したように寝てる。
気持ちよさそうに。
憎たらしいくらいに。
「はぁ…。」
深ーいため息をつく。
しょうがないか。
病人だったんだし。
…ずっと一緒だしね。
我慢…
出来ないかもしれないけど。
雅紀の体をゆっくりと寝かせて、
布団をかける。
その横に、俺も潜り込んで寝る。
もう寝てやる。
俺たちって、こんな感じだよな。
大事な時に、なーんか決まらない。
だけど、これが俺たち。
らしいっちゃ、らしいけどさぁ。
「雅紀のばぁぁか。」
オアズケの日々は続く。
-end-