DAYS
第17章 All I Want For Birthday Is M×A
M side
目の前に広がってるのは、
一瞬で思考をフリーズさせるような
光景だった。
翔さんとリーダーと飲んでた帰り。
雅紀から翔さんにヘルプのメールが
来てて、2人で雅紀のマンションに
来てる。
急いで来てみたら
は!?
何で、ニノと雅紀がキスしてんだよ。
しかも、何で爆笑してんだよ。
意味が全く分からない。
「雅紀!?」
堪らず叫んだら、
笑い声がぴたっと止んで。
同時に、焦り出した2人。
口をぱくぱくして
何か言おうとしてるみたいだけど。
「雅紀?」
「いや、違う!これは、その。事故でー」
「こっちこい!」
ひょいっと、肩に担ぎ上げる。
「え、潤!?」
「うるさい。暴れるな。」
「やだやだやだ。」
俺の肩の上で、じたばたと
足を動かして、何とか逃れようと
してる雅紀。
子供か、お前は。
「じっとして。」
「じゃあ下ろしてよぉ…。」
「それは出来ない。」
「だって、俺重いから…。
潤の体が心配なんだもん。」
え?そんな理由だったの?
てっきり俺の行動を怖がって
下ろしてくれ、って言ってるんだと
思ってたのに。
一瞬、気持ちがグラッと揺れた。
このまま下ろしてやっても
いいかな、って。
だけど、さっきのニノとのキスが
フラッシュバックする。
だぁー!
やっぱりダメだ、ダメだ。
「重くないから。」
「やだ、下ろして。
今日の潤、怖いよ…。」
声だけで泣きそうだって分かる。
ちょっと震えてる声が
背中のほうから聞こえてくる。
「とにかくじっとして。」
「やだぁぁ。」
暴れる雅紀を何とか寝室まで運ぶ。
「え、なになに。やだやだ。」
「分かってるんだろ?」
「…っ。」
分かってるよ。
ちょっと期待してること。
「何でニノとキスしてんだよ。」
「だから、あれは事故だってば!」
「事故でもキスしてんじゃねーか。」
「…っ。だってぇ…。」
もうすでに半べその雅紀。
いっぱいに水分を含んだ瞳が
ゆらゆらと揺れている。
「今日は、寝かせねーぞ。」
雅紀の体がびくっと跳ねた。