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DAYS

第17章 All I Want For Birthday Is M×A




A side



楽屋に3人。

目の前には、呆然と立ち尽くしてる潤。
その隣には二ノ。


ねぇ、何で一緒に来たの?
2人とも一緒にいたの?


言葉に出来ない代わりに、
涙がぽろぽろと零れてくる。

昨日あれだけ泣いたのに、
涙は枯れることをしらなくて。



「…ごめん。」


謝ってる潤の姿も
もう、ぼんやりとしか見えない。

ちゃんと潤のこと、見たいのに…。
だって、大好きなんだもん。



なのに。

視界はどんどんぼやけてる。


重い空気がずーっと流れてる。


二ノは入口の方で
眉を8の字にしたまま。


ごめんね、困らせちゃって。


誰も喋らなかった。
喋れなかった。



そんな沈黙を破ったのは、


「相葉さん、先にお願いします。」
「あっ…。すぐに行きます。」


スタッフさんに呼ばれて
慌てて袖で涙を拭った。


ちらっと見えた楽屋の鏡。

…ひどい顔してるな。

トイレで顔、洗ってからにしよう。





冷たい水が顔に触れると、
思わず体が跳ねる。


流れていく水を、
ぼんやり見つめてた。

このモヤモヤも、すっきり流れて
いって欲しいのに、って期待を込めて。






昨日。
仕事が時間よりも早く終わって。


「潤が待ってる~♪」

なーんて浮かれ気分で
一緒に暮らすマンションに帰った。


ロケ先で美味しい、って有名な
ケーキも買って帰って。


「ただいまー!」


しーんと静まり返ったままの部屋。

いつもよりも冷たく感じる空気。


「出掛けてるのかな…。」


仕事はないけど、
潤にだってプライベートはある。


でも、連絡がないって
珍しいなぁ。


ご飯にでも行ってるのかも、って
思ったけど、ご飯は一応2人前作る。

嬉しいんだ、2人前作るの。

なんか、一緒に住んでるーっ!
って感じでしょ?


ご飯を作り終わっても、帰ってこない。


「先にお風呂、入っちゃお。」


ご飯は食べずに、お風呂に入って。


上がっても、潤の姿はなくて。


どれだけ連絡をしても
繋がらない。


ソファーに寝転がって、
何の反応もない携帯を見つめながら
潤の帰りを待ってた。

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