DAYS
第17章 All I Want For Birthday Is M×A
朝の目覚めは、雅紀の甘ーい声。
なんかじゃなかった。
「起きて!起きて!起きて!」
「んー…っ。あと5分…。」
「あと5分、じゃないよ!」
肩をつかまれて、がんがん
揺さぶられてる。
「だぁ!もー…。
え。二ノ?」
そこにいたのは愛しの雅紀、
ではなくて二ノ。
俺、寝ぼけてるのか。
何でこんなとこに二ノが…。
「寝ぼけてんじゃないよ。
早くしないと、遅れるから!」
「あ…、そっか。」
やっと思い出した。
そうだ。ここ、リーダーの家じゃん。
「シャワー、使っていいって。
入ってきたら?」
「うん、そうする。
あ、着替え…。」
「俺が貸すよー。」
リーダーがあくびをしながら登場。
朝から気が抜けそうだよ、そのあくび。
「でもサイズがー」
「大きめあるから大丈夫。」
渋い顔したグッドサイン。
リーダーのその顔、
やっぱりいつ見てもいいね。
「ありがと!」
「ん、いいよー。」
超特急で身支度の全部を
終わらせる。
「はぁ、行ってきます!」
「いってらっしゃーい。」
翔さんと、リーダーに見送られる。
今日は雅紀と、二ノと
3人での仕事。
二ノと一緒に局まで向かう。
「間に合うかな?」
「大丈夫でしょ。
とりあえず急ご。」
「うん。」
マンションの前に止まってる
俺の車に2人で乗り込んで出発する。
「はぁ、間に合った。」
「セーフだ、セーフ。」
息を切らしながら、
楽屋のドアを開ける。
「おはよー。」
「…。」
「雅紀?」
ドアを開ければ、
椅子に座って丸まってる雅紀の姿。
挨拶をしても、何の反応もない。
「雅紀?」
「…んで。」
「え?」
「何で昨日、帰ってきてくれなかったの?」
ゆっくりと顔を上げた雅紀。
その顔は、涙で濡れてて。
目が真っ赤で腫れてる。
それだけで、昨日雅紀が
かなり泣いてたってすぐに分かった。
「連絡したのに、掛け直してきて
くれないし。」
「あ…。」
慌てて携帯を見れば、
雅紀からの着信がズラリ。
気付かなかった。