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第19章  身長差のない恋人 N×O




N side



俺たちの関係には、
名前がないと思う。



仕事仲間じゃない。
ただのメンバーでもない。


相葉さんみたいな、「親友」って
感じでもないし、

潤くんみたいな、持ちつ持たれつ
みたいな関係でもない。

翔さんみたいな、甘えたり出来る
関係でもない。



絶妙な距離感を保ってる俺たち。



「モヤモヤする…。」



考えるだけで、
胸が苦しくなる。


…病気かな。



ゲームならこんなに簡単に
出来るのに。

攻略法ならいくらでも
分かるのに。




「分かんないよ…。」


今日はオフで。
広い部屋に1人。


ラグの上にゲーム機を放り投げて、
ごろんと寝転がる。



考えたって仕方ない。
忘れよう。

あの人はメンバー。
ただのメンバー。

それ以上を考えちゃダメだって。


男だよ?
あの人。


「うぁぁぁ!」


考えれば考えるほど
深みにはまっていく。


これじゃあ、
俺があの人の事を好きみたいじゃん。


…好き?


え。
俺、好きなのかな。



「ええええっ!」


今、気付いた。

こんなにモヤモヤしてたのは、
恋だったんだって。


「嘘だ…。
え、だって男だよ。
え、だって、だって…。」


言い訳を考えるけど、
結局行き着く先は同じ。


「好き。」





「どうしよ…。


とりあえずは…。」



コンセントに繋いで充電してた
携帯電話を手にとる。


携帯の画面には、
相葉雅紀の文字。


翔さんは、生放送だし。

潤くんは、撮影やら
ライブの演出の最終確認とかで
忙しいだろうし。


本人には絶対に言えないし。









「それで、俺になったのね。」
「うん。暇でしょ?」
「いや、暇でしょ、って
ひどくない?」
「え?暇じゃなかったの?」
「いや、暇だったんだけどー」
「じゃあ、いいじゃん。」


まだ不満そうにブツブツ言ってる
相葉さんを、無理やり家に押し込む。


そりゃー、申し訳ないと思ってる。


だけど、言いやすいんだもん。


頼りにしてるんだから。
スーパーアイドル相葉雅紀を。

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