DAYS
第3章 心の中と頭の中 N×O
N side
時々、不安になる。
あなたは誰にでも平等で、
びっくりするくらい隙だらけだから。
…俺ばっかり好きなんじゃない?
「俺のこと好き?」
って聞けば、
「好き。」
って返ってくるのは分かってる。
いや、頭では分かるんだよ!?
でもさ、気持ちがモヤモヤしちゃってて。
最近、智は個展で忙しかったり、
俺は映画の撮影で忙しかってりで、
二人でゆっくり出来る機会がなかった。
でも明日と明後日は久しぶりのオフで。
「やっとゆっくりできるー…。」
ソファーに深く沈み込んで、
天井を見上げる。
…智も確か、オフだったよな。
時計をチラッと見ると、
「11時半か…。」
もう結構遅い時間になってた。
今、電話したら迷惑かな?
いや、でも…。
なんて、電話片手に迷ってたら、
着信。
名前をみたら、大野智の文字。
ー…なんで分かっちゃうのかな。
同じこと思っててくれたのかな。って
嬉しくなる。
「もしもし。」
「あ、和。今から家、行ってもいい?」
「うん…。」
「よかった。」
って智が言った瞬間電話が切れて、
ピーンポーン
インターホンがなる音がする。
画面をみると、
「へ!?智!?」
急いで玄関に行って、鍵を開けると
「え、なんで?」
「電話する前にもう着いてたもん。」
いや、もんって。
…可愛い。
「とにかく入って。」
玄関で突っ立って立って、仕方がない。
「っていうか、エントランスに入って
来たなら、玄関の鍵も開けられるでしょ。」
「だって、さすがにこの時間は連絡した
ほうがいいかなって。
それに、お出迎えしてほしいじゃん。」
さらっと甘えてくる。
こんなとこ、時々ずるいなぁって思う。
「はい。」
「ん?」
「だーかーらー、はい。」
腕を広げて、はい。ってすると、
智がふにゃって笑って飛び込んでくる。
久しぶりの智の体は温かくて落ち着く。
…久しぶりだからか、何だか照れくさくて。
ゆっくりと体を離そうとすると、
「ダメ。まだ足りない。」
っていって、もっとぎゅってしてくる。
だから…
可愛いすぎるんだってば。