DAYS
第19章 身長差のない恋人 N×O
N side
「疲れてるでしょ、ほら入れ入れ。」
「わわっ。」
お風呂場まで、大野さんに背中を
ぐーっと押されて。
「ゆっくり入ってこいや。」
捨て台詞を残して、
バタン、とドアを閉めて出ていった。
…ここ、俺の家なんだけど。
でも疲れてるのは事実だから、
先に入っちゃおう。
体を軽く流して、湯船に浸かると
ぽちゃん…と優しい音が響く。
「そういえば…。」
大野さん、今日どうするんだろ。
って言っても、今日はもう2時を回ってるし、
帰るのは無理だろうから泊まりか。
お客さんよりも先にお風呂、
入っちゃった。
これはさすがに悪い。
仕方ない。
「それでこうなったの?」
「うん。」
湯船に大の大人が2人。
肩を寄せながら、少し窮屈だけど
何とかお湯に浸かってる。
そんなに広いお風呂の訳じゃないから、
密着度がすごくて。
「俺、別にあとでよかったのに。」
「だけど時間が時間だし、
これが1番かと思って。」
「まぁ…うん。」
深夜に男2人で風呂。
勢いで、大野さん呼んじゃったけど…
この状況、やばっ。
「ニノ。先に体洗う?」
「え!いや、大丈夫。俺あとで。」
「そー?じゃあ、俺洗っちゃうね。」
そう言うと、何の躊躇いもなく
湯船を出て、わしゃわしゃと頭を
洗い出す。
どうしよう。
変に意識しちゃって、動悸がすごい。
大野さんにバレないように、
はぁーっと何度も震える息を吐く。
ちらっと大野さんの方を見ると、
綺麗な腹筋が見えた。
水が滴ってる感じが妙にエロくて。
普段のほわほわした雰囲気なんて
もう無くて、色気が漂ってる。
その色気にすっかり酔って。
酔いが酒と相まって、頭がふらふら
してきた。
「ニーノ。次、洗いなよ。」
全身綺麗さっぱりした大野さんが、
湯船に入ってくる。
だけど、どうにも体がふらふらするし。
「うーん…。」
「どした?体調悪い?」
「…逆上せたかも。」
「え?」
急いで俺の体を掴んで、
浴室の床に俺を座らせる。
体が触れる。
それだけで、体が疼く。