DAYS
第19章 身長差のない恋人 N×O
あんな事を言われたら、
帰れなくなった。
…好き、か。
正直、よく分からなくて。
自分の気持ちがはっきりしない。
俺も好きだよ。普通に。
ただ、これがニノと同じ「好き」
なのかが、分からないんだよ。
ここで、
「好き」って言うことは簡単だ。
何も考えないで。
だけど、その「好き」をニノは
望んでないんだろうな、って思う。
「どうしたらいい…?」
あどけない寝顔に問いかけても、
寝息が返ってくるだけ。
「…明日考えよ。今日は限界だ。
お風呂、借りていいかな?」
よく見れば、ニノも入ってなさそう。
お風呂掃除くらい致しましょうか。
嵐のリーダー、大野智が。
風呂場で洗剤を流してる時、
「相葉さん、そんな事しないで!」
って、凄い勢いで飛び込んできたニノ。
…やっぱり相葉ちゃんが先に出るの?
俺が来てること、覚えてないんだ。
相葉ちゃんは覚えてるのに。
また胸がズキッてした。
案の定、びっくりしたって顔してる。
本当に覚えてないんだね。
俺の袖を引っ張ったのも。
…俺を好きだって言ったのも。
「お風呂、入れてもいい?」
「えっ、あ、うん。ありがと。」
「いいよ、これくらい。」
ニノの肩をぽんっと叩いて
リビングに戻る。
…あれ?
ニノ、顔赤くなってない?
「ニノ、顔赤いよ?」
「…へ?
いや、気のせいじゃない?」
声、裏返ってるし。
至って普通ですよ、って顔してる風
だけど、バレバレだよ。
顔、緩んでない?
「ニノ。」
「何ですか?」
やっぱり顔、赤いね。
耳まで赤に染め上がってる。
そんな反応見ちゃったら、
期待するじゃん。
もしかしたら、本当なんじゃないかって。
さっき言ってた言は、
酔っぱらいの戯言なんかじゃないって。
俺と同じ気持ちなんじゃないかって。
…ん?同じ気持ち?
俺とニノが?
そこまで気付けばあとは簡単じゃん。
あってるか何て分かんない。
でも分かる事がある。
俺はニノが好きってこと。
俺とニノは、同じ気持ちだってこと。