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DAYS

第20章 ショートストーリー From A×S




S side



雅紀の機嫌がすこぶる悪い。

とにかく怖いんだよ。



しやがれ!の収録が終わって、
お疲れ様でしたーって言って。

楽屋までは良かった。



雅紀も普通だった。

…俺以外には。




「雅紀。今日どうする?」

って話しかけても、
なーんにも返事が返ってこない。



挙句の果てには、


「じゃ、お疲れ様ー。」


先に荷物をまとめて、
スタスタと帰っていっちゃった。


3人が、ぽかーんとその光景を見てる。



「どうしたの。おたくの旦那。」
「珍しいよね、2人で帰ってないの。」
「うん…。分かんない。」
「何かやっちゃった?」



松潤が聞いてくるけど、
身に覚えがないんだよ。



「どうしよ…。」
「とりあえず、帰る。とか?」
「話聞くのが1番ですよ。」



ニノの言葉には、説得力があって。

雅紀と付き合いが長いし、
お互いの事をよく知ってるしね。


そんなところに、時々嫉妬する。

けど、今はヤキモチ妬いてる場合じゃ
ないから。



「よし。とりあえず帰る。」
「おっ。」
「それから?」
「寝る。」
「なんでやねん。」



大野さんの片言関西弁で
つっこまれた。



「だって、別れたい、とかだったら
どうしよ…。」
「いや、それは無いと思うー」

「そんなん俺、生きてけないじゃん。」
「いや、だからー」

「やだよぉぉ、別れたくないよーっ。」
「さくらいーーーーーーーっ!!!」
「「「わっ!」」」



大野さんの、年に1度あるかないかの
大声が楽屋に響き渡った。


思わず3人でハモっちゃったし。



「翔くん。」
「…はい。」
「相葉ちゃんに限って、それは
ないと思うよ?」
「…。」
「そんな事するような人じゃ
ないでしょ?」
「うん。」


さっきの大声とは正反対の、
柔らかく優しく、暖かい声。



「とりあえず、帰る。」
「はい。」
「話を聞く。」
「はい。」


大野さんのこういうとこが、
リーダーに向いてるんだろうな。




みんなに後押しされて、
雅紀が待っている…だろう家に帰る。


いつもよりも何倍もドアが重く
感じちゃうよ。

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