DAYS
第21章 愛を込めて花束を S×N
N side
楽屋は、いっつも甘ったるい空気が
流れてる。
ピンクのオーラバンバンだし、
気温が他よりも高い。
原因は、たぶん…
「ねぇ、潤♡」
「んー?」
「好き♡」
「俺もだよ。
でも、外でそんな可愛い顔しないの。」
「へ?」
「その顔だよ。もぉー可愛いなぁ。」
はいはいはいはい。
楽屋の1人がけのソファーに座る
潤くんの膝の上に、向かい合って
座ってる相葉さん。
腕なんか回しちゃってさ?
ここ、楽屋なんだよ。
「あそこ、熱いね。」
「うん。熱い。」
翔と、こそこそ話をする。
その事にも気付かないくらい、
2人は熱々だけど。
「朝から、しかも楽屋で
あんまり甘ったるいのは、
遠慮していただければ…。」
「あっ、ごめんなさい。」
って言いつつも、一向に
潤くんの膝から下りようとしないし。
「毎日毎日飽きないなぁー。
家でやって下さいよ。」
なんて冷やかしながらも、
どこか羨ましく思ってる俺もいて。
俺と翔って、そんなにオープンじゃないし。
それも分かってる。
…だけど。何か…ね。
「和?」
「…ん?」
「難しい顔してたよ。」
「あっ…大丈夫。」
「忙しいんだから、無理すんなよ。」
俺の頭を、優しくぽんと撫でてくれる。
前までは、これで十分だった。
これで十分嬉しかった。満足してた。
だけど、俺。
たぶん欲張りになっちゃってるんだ。
相葉さんたちは、
この前結婚式をした。
あんなに幸せそうな結婚式、
見たことないよってくらい暖かくて。
ちょっぴり…というか、
かなり羨ましかった。
だけど、無理だって分かってる。
俺たちの関係には、いつか終わりがあるって。
潤くんは、結婚式を終えて次の日、
相葉さんの実家に挨拶に行って。
「雅紀を下さい。お願いします。
本気なんです。」
頭を下げたって言ってた。
(相葉さんの後日談ね。)
「一生、潤と一緒にいられる♡」って
本当に幸せそうな顔で言う相葉さんが、
忘れられない。
翔…。
俺たちの関係って…どうなるんだろ。