DAYS
第22章 2人のBirthday M×S
M side
「わ…雪だ。」
「あ、ほんとだ。」
「今年の初雪かぁー…。」
お風呂上り。
マグカップを両手に持って、
同じブランケットに2人で包まる。
隣には、一生懸命ふーふしてる翔。
時々、
「あつっ。」なんて言葉が聞こえる。
可愛いよね。
マグカップ両手で持ってるところとか。
「これ、積もるかなぁ。」
「んー。これくらいじゃ厳しいかも?」
「うーん…。」
あからさまにしゅんとして、
頭をがっくしと落としてる。
その頭をくしゃくしゃっとして、
「積もんないかもしれないけど、
今綺麗なんだからさ。
下向いてちゃ、もったいないでしょ。」
翔の顔を上げさせる。
だって、下を向いてたら
翔の顔が見えないんだよ。
そんなの寂しいじゃん?
そんな俺の心なんて知らない翔は、
「見る見る!ちゃんと見る!」
ばっと一瞬で顔を上げて、
大きな窓から見える雪に釘付け。
子供みたいに瞳をキラキラさせて、
何度も感嘆の声を上げて、
「潤!すごいね!」って
大好きな声が俺を何度も呼ぶ。
「そろそろ寒くなってきたなぁ。」
「もういい時間でしょ?
寝よっか。」
「うん…。」
目を擦りながら、
ぺたぺたと俺の後ろを付いてくる。
そんな事を真後ろでされちゃ、
堪んない。
あんなに可愛いし、
今日の夜もちょっと期待ー…してたら、
「もっとこっちおいでよ。」
「やだ。」
頑なに、近づくことを
拒否されてる。
ベッドの端の端で寝てる翔と
俺の間には、1人分空いてる。
「なんで?こっちこいよ。」
「やだやだ。」
いつもなら迷わず来てくれるのに。
「だってこれ以上近づいたら、
止まんなくなっちゃうんだもん…。」
ぽそっと零した翔の本音。
こんな人、他に誰もいない。
世界中で飛び回ってたって、
櫻井翔は可愛いんだ。
「我慢とか、しなくていいから。」
「でも…」
「ほら、おいで。」
腕を広げれば、
迷わず飛び込んできてくれる。
「止まんないで。」
いつだって翔が欲しい。