
DAYS
第22章 2人のBirthday M×S
S side
潤が相葉くんに、
あの時部屋にいなかった理由を言った時。
すごく寂しかった。
俺は、1秒でも長く潤といたい。
潤に抱きしめてもらいたい。
一緒にいられる時間を
少しでも大切にしたいと思ってた。
だから、決意して家に帰ったのに。
潤は、俺が1人でオドオドしてた
ところを見て、楽しんでたんだよ?
意味が分かんない。
だけどね、それ以上に悲しいのは
俺はちょっとでも2人でいたいのに、
潤は違うのかなって。
それが何よりも寂しかった。
切なかった。
辛かった。
潤がいなくなって、
シーンとした玄関。
確かに、
俺と思ってた事が違うことは寂しかった。
だけど、
潤はもう一度ここのドアを開けて
来てくれるんじゃないかって。
そう思ったら、ここから動けなくなった。
「翔ちゃん。寒いからリビングおいで。」
2人がそうやって声をかけて
くれるぐらい。
どれくらいここにいたんだろ。
いつの間にか手先は冷えてて、
もう感覚がなくなってきてる。
そういえば、雪が降るって
言ってたっけ。
こんなに冷えるのも無理ないかな。
「…動きたくない。」
「だけど、冷えたら体によくないよ。」
「バカだよね、俺。
…追い出したの、俺なのに。」
「…。」
2人とも、俺の話を黙って
聞いて、受け止めてくれる。
「ごめん。2人とも。
…疲れてるのに。」
「いいから、大丈夫。」
そう言うと、相葉くんが
毛布を持ってきて。
ニノは、キッチンの方から
湯気の上がったマグカップを持ってきた。
「ほら。これで大丈夫。」
大きな毛布に、3人。
マグカップを片手に持って、
寄り添いあってる。
「いいよ!2人までー」
「だってさ。
1人じゃ寂しいでしょ?」
優しく笑ってくれる
相葉くんとニノ。
その2人の間は、暖かくて。
そんな2人の暖かさに、
「…っ。」
「…泣いていいよ。」
両サイドから抱きしめられて、
少し窮屈だった。
だけど、どんな言葉よりも
暖かかった。
