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第22章 2人のBirthday M×S








今日の仕事は、雑誌の取材。


ニノと2人での仕事だった。



「おはよ。」
「おはよーございます。」


楽屋に着けば、もうすでに
来てたニノ。

いつもはもっと遅いのに。



相変わらず、ソファーに座って
ゲームをしてる。

俺は近くの雑誌を読んでる。


いつもの感じ。雰囲気。

なのに、何だか居心地がよくない。




翔は、たぶん相葉くんの家にいる。

相葉くんの家には、ニノもいる。



ニノが事情を知ってるから、
気まずいのか?


違う。


たぶん俺は、目の前にいる
ニノにまで嫉妬してるんだ。


同じ空間で翔と一夜を過ごした
ニノに嫉妬してるんだ。


その状況を作ったのは、俺なのに。




「ねぇ、潤くん。」


沈黙を破ったのは、ニノだった。


「なに?」
「翔ちゃんの事、もういいの?」


ニノらしい、ストレートな言葉。

全部を砕いてくような、
俺にとって痛い言葉。


こいつは全部分かってる。



「ニノには関係ない。」
「あ、そう。」



簡単に引き下がったのが、

逆に怖かった。



その俺の予感は見事にあたって、



「だってさ、相葉さん。」
「は?」


ニノの手には、携帯電話。


通話相手には、相葉雅紀の文字。



「もう、翔ちゃんの事なんて
何とも思ってないんじゃない?」
『そうみたいだね。』
「ちょ…っ。」
「どうしよっか。」


俺が止める間もなく、
話はどんどん進んでる。


「ふざけんな。
俺は、翔の事をー…」
「じゃあ、何で迎えに来なかったんだよ。」


ニノの冷たい瞳が俺を捕らえる。


見たことないくらい、
冷たく、きつい視線。



「…。」
「答えらんないんじゃねーか。」
「…やめろよ。」
「どんだけ翔ちゃんが泣いたと
思ってんだよ!

ずっと待ってたんだよ。

相葉さんの家でも。
お前のマンションでもー…」
「え…?」
『和。もういいよ。』



受話器から聞こえたのは、


翔の声。



「翔!?」
『雅紀、寝よ。』
『そうしよっか。』
「翔!!」


電話を取ろうとした時、


通話の切れる音がした。

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