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A side





2人が甘い雰囲気を漂わせて、
玄関を出ていくのを見送ってた。



翔ちゃんの幸せそうな顔を見て、
ほっとした。

…ちゃんと仲直り出来たらいいね。


2人のどこか暖かい背中に、
俺の想いを乗せて。





ばたん、とドアが閉まったあと、

和が俺にもたれるように崩れ落ちた。


「ちょ、和！？」
「ごめん、まーくん。
ちょっと…。」


辛そうに眉をひそめて、
腰をさすってる。



「腰、痛かったの？
何したの？」
「…何にもしてないよ。」
「無茶したんだろ。」


和のことなら、すぐに分かる。

鈍感だって言われるけど、
和のことならすぐに。


いつも、誰よりも近くで見てるから。




思い当たる節があった。

もしかしたら、さっき…って。



「無理、したでしょ。」
「…ごめんなさい。」


素直に謝る和に、
それ以上何も言えなかった。


和がちゃんと説明してくれるって
信じてるしね。




和はちゃんと話してくれた。


1通り話終わったあと、


「潤くんは、悪くないから。」って
フォローしてる。


分かってるけど…
ちょっとむっとしちゃった。



それに何よりね、


「そんなに無茶して…。

松潤にそうやって言ったら、
そうなるって分かったでしょ？」
「うん…。

でも、他にいい方法が
思いつかなかったんだもん。」
「だからって、腰悪くしたら
ダメでしょ？」
「分かってるけど…。」



しゅんとして、下を向いてしまった。


言いすぎたかな。



「ごめん、和ー…」
「どうしても、2人をね、
仲直りさせたかったの。」
「…うん。」

「何だかね。

すれ違ってるのが、昔の俺たちと
似てたから…。」
「あぁ…。」



ぽつりと零した和の言葉に、
胸がきゅっと苦しくなった。



「だから必死になっちゃった…。」
「うん。…分かるよ。」
「ほんと？」
「うん…。」



まぁーくんって甘えた声を出して、
手を広げてる和を強く抱きしめた。







俺たちの始まりも、

そんな感じだったんだ。