DAYS
第25章 with YOU M×N
N side
「じゅーーーん。」
朝。
いい匂いの立ち込めるキッチンから
愛しい人の名前を呼ぶ。
俺の恋人は、朝に弱い。
こんな事じゃ起きないのは分かってる。
スリッパをパタパタと鳴らして、
潤の寝ている寝室へと向かう。
忙しいその音が部屋に響いて。
何だか新婚さんみたいで、照れた。
ちょっと熱くなった頬を
両手で挟んで、緩む頬を引き締める。
ドアを開けて、ベッドの方を見ると
「じゅんー…。」
ベッドの端の方で、小さく猫みたいに
丸まって寝てる。
腕を横に伸ばして、1人分のスペースを
あけて寝てる潤。
その潤のクセを見ると、
俺も何だか嬉しくなる。
ずっといる証拠なんだもん。
口を半開きにして、
気持ちよさそうに寝てる。
だけど、起きてくれなきゃ困る。
仕事だし。
「ねぇ、潤。起きて。」
「んー…。
あと5分だけ…。」
「ダメ。潤の5分は長いんだもん。」
「んー…。
起こしてよ…。」
眠たそうに目を擦りながら、
俺に向かって腕を伸ばしてる。
その潤の腕をとって、
優しく引っ張り起こしてあげる。
これも毎日の日課。
普段はあんなに格好いいのに、
朝はこんなに可愛い。
「朝ごはん、出来てるよ?」
「うーん…。」
「もー…。」
まだ半分夢の中なのか、
寝ぼけたような声を出す。
「ほら、行くよ。」
「ん。」
寝ぐせで跳ねた髪を揺らして、
俺に手を引かれてついてくる。
「先にシャワー浴びる?」
「んー。あとでいい。」
「そう?
でもその髪、すごいけど。」
「え?まじで?」
そういうと、たたっと洗面台のほうに
駆けていった。
戻ってきた時には、
もうすっかり格好いい潤。
「着替えてないの?」
「だって、シャワーしてないし。」
「シャワーしてくればよかったのに。」
「ご飯、温かいうちがいいでしょ?」
俺に向かって、爽やかに笑った潤に
きゅんとした。
…潤を起こすので、
だいぶ冷めちゃってるけど。
なーんて。