DAYS
第25章 with YOU M×N
「今日、何時?」
「んー…。
今日は遅いかな。
日付回っちゃうかも。」
「そっか…。」
自分でも分かるくらい、落ち込んだ。
そんな俺を見て、
「寂しいの?」って。
からかうとか、そんな口調じゃなくって
本当に優しい声で。
「違うもん。」
「もんって…。」
子供みたいって笑われた。
そんな朝が、俺は好きだなぁ。
何よりも。
「じゃ、行ってくるね!」
「ん。いってらっしゃーい。」
「和は?大丈夫なの?」
「俺、今日オフだもん。」
「あ、そっか。
じゃあね!」
ひらひらーっと手を振って、
玄関から出ていく恋人を見送る。
…キス、したかったなぁ。
「帰ってくるまで我慢しよ。」
残ってる皿洗いも終わらせて、
ゲームでもしようかと思って
キッチンへ行こうとしてた時。
「忘れもんした!」
「へ!?潤!?」
息を切らして、ついさっき出ていった人が
戻ってきた。
「なに?そんな大事なもの忘れたの?」
「うん。
和。」
こっちこっちと手招きするから、
潤の方へ足を進めると、
ぐいっと引っ張られて、
「え…。…っん。」
「…っは。
いってきますのちゅー、
してなかったから。
欲しかったでしょ?」
「っ!」
「ふふ。可愛い。
あ、やべっ!
いってきまーす!」
早口でまくし立てるように喋って、
また玄関を出ていった。
本当にそれだけのために
わざわざ帰ってきてくれたんだと思うと、
ちょっとバカだなって思った。
だけど、すっごく嬉しかった。
俺、そんなに物欲しそうな顔
してたのかなぁ…。
気を付けないと。
すぐに相葉さんにからかわれる。
「あ、早くゲーム。」
気が付けば、だいぶ玄関で
立ち尽くしてた。
今日は地球、守んないと。
洗濯物も干した。
2人分の洗濯物を干すのが、
当たり前なんだけど幸せ。
全部終わって、ラグに座り込む。
「よっしゃ!ゲームー…」
こういう時に限って、
普段は鳴らない携帯が鳴る。