DAYS
第25章 with YOU M×N
「誰だよー…。」
名前を見てみれば、
「ん?大野さん?」
何かあったのかなって思った。
滅多に電話なんてかかってこないから。
「もしもし?」
急いで電話をとってみれば、
「っ。ニノー…っ。っ。」
「え?ちょ、大野さん?」
「っ。」
「何で泣いてるの?どうしたの?
何かあったの?」
色んな質問をぶつけるけど、
返ってくる返事はないし。
「今どこ?」
「お台場…。」
「仕事終わったの?」
「うんっ。
迎えにきてっ。」
っていうから、来たけどさ。
「あ、ニノ!」
「大野さん。こっち。」
駐車場に止めた車の方に
駆け寄ってくる。
あれ?元気じゃない?
「ごめんね。ありがとう。」
「いいよ。どうせオフだし。」
「助かったよ…。」
「とりあえず、乗って。」
大野さんを助手席に乗せる。
遠慮することも、ためらう事もせず、
我が物顔で俺の車に乗る大野さん。
さっき泣いてたのって、嘘だったの?って
大野さんを問いただそうとして、
シートベルトがうまくはまらなくて
格闘してる大野さんの方を見た。
「ねぇ、さっきー…。」
そこまで言って、言葉を飲み込んだ。
大野さんの瞳が赤かったから。
水分をいっぱい含んでたから。
すぐに本当だったって分かった。
シートベルトも、ただ不器用なんじゃ
なくって、きっと視界がボヤけてる
せいだって思った。
「どこまで送ったらいいの?」
「…ニノの家。」
「俺の家?何で?」
「いいから…。お願い。」
それっきり、大野さんは何にも
言わなかった。
仕方がないから、また来た道を戻って
家まで戻る。
正確には、
潤と俺の家、なんだけどね。
メンバーのみんなは、潤と俺が
もちろん付き合ってることも、
同居してることも知ってる。
みんな認めてくれてて…。
ありがたいよ。
「はい、入って。」
「お邪魔しまーす…。」
もそもそと、俺の後ろから
入ってくる。
「ほら、座りなよ。」
「うん…。」
「しっかし…。
どうしたんです?」