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第26章 熱さまシート S×A








A side




「相葉さん、風邪引いたの?」



雑誌の撮影の仕事。

今日は、久しぶりにニノと
2人だけの撮影。


「おはよー」って、挨拶をした直後、
ニノから返ってきたのは

挨拶の返事じゃなくて、その言葉。



「え?気のせいだよ。」
「気のせいじゃないですよ。

今だって、鼻声ですよ?」



ゲームの画面に目を向けたまま、
声だけは俺だけに向けてる。


…バレちゃうかぁ。

何だか喉のあたりが、イガイガしてる。
風邪の前兆。



「ほんとに大丈夫だよ。

まだ引き始めだし。
ちゃんと薬飲んだし。
花粉かもしれないし。」



そんな俺の言葉に、
はぁーっと深海のように深ーい深い
ため息をつくニノ。



「相葉さん、体そんなに強くないから。
風邪は引き始めが大事って
いうでしょ?」

「分かってるよ。大丈夫、大丈夫。」
「あんまり無理しないでよ。」



念をおすニノを何とかなだめる。

これ以上喋らせると、
間違いなく長くなるから。



「早く治さないと…。
翔さんとの旅行、行けなくなるよ?」
「それだけは、ぜっっったいにやだ。」



それだけは、何としてでも回避したい。




半年以上前から、
ずっと翔ちゃんと旅行の計画をしてた。

去年は15周年とかで忙しくて、
なかなか休みもとれなかったから。

だから、年が明けて、落ち着いたら
2人で旅行に行こうねって。



その旅行が、もう3日後に迫ってる。


3日間のオフをフル活用して、
めいっぱい楽しむんだもん。



翔ちゃんが分刻みのスケジュールを
立ててたのは、全部却下したけど。

だって、2人でゆっくり一緒にいれたら
それでいいんだもん。






「とにかく、今日はちゃんと休むん
ですよ?」
「はぁーい。」


緩い感じで解散して。

家に帰って。



そこですぐ寝たらよかったんだけど…。


ほら、遠足の前って
寝れなくなっちゃうじゃん?

そんな感じで。


ずっとそわそわしてて眠れなくて。


「翔ちゃん…。」


名前を呼んでは、そわそわして。


こんな気持ち、初めてなんだもん。

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