テキストサイズ

DAYS

第26章 熱さまシート S×A








次の日の朝、

俺はすぐに昨日の夜を後悔した。



「やばい…。

本格的に風邪引いた…。」



朝、起きて分かる体のだるさ。

疲れからとかじゃなくて、
明らかに熱からくる関節の痛みと頭痛。


もう半分分かってはいるけど、
体温計を脇にはさむ。


ぴぴって音がして、
それと同時にため息が出た。



「37.8℃…。」



まぁ、…微熱だし?

俺、平熱が高いほうだし?

ちょっと頭が痛くて、
ちょっと喉が痛いだけだし?


とにかく言い訳をして
気持ちを落ち着ける。



「昨日のせいだよ…。」



お風呂から上がって、
明日の旅行の準備を髪も乾かさずに
してた。

上半身裸で。


あの服着ていこうかなぁ、とか。

1日目の服はこれだなぁ。
いや、でもこれかなぁ、とか。


って、俺は女子か。



「とりあえず、薬飲んどこ。」


少しふらふらする体を何とか動かして、
ガサゴソとあさって薬を飲む。



今日がオフだったら…

なんて甘いことを考えるけど、
そんなことあるわけなくて。

しかも、こんな日に限って
みっちりと組まれたスケジュール。



「はぁ…。」


体調管理もろくに出来ない
自分にため息が出る。


だけど、仕事を休むわけには
いかない。







「相葉さん、大丈夫ですか?」
「え?」
「いえ。体調、悪そうに見えたので。」


マネージャーの車に乗ってすぐ、
バレた。


俺って、分かりやすいのかな。



「あー…。ちょっと疲れたのかも。
大丈夫だよ。」
「そうですか。

解熱剤、持ってるので
熱が上がってきたら言ってください。」


…そこまでしっかりバレてる。



「仕事、明日に伸ばして
もらいますか?」


マネージャーはそう言って
くれてるけど…。



「それだけは、絶対にダメ!」


そう言って、無理やりマネージャーを
納得させて。




午前中の過密スケジュールを超えて、
昼から個人のレギュラーのロケをして。


だんだん熱が上がってるのは
分かるけど、ここでやめられない。



翔ちゃんとの
明日からの旅行がかかってるんだもん。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ