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DAYS

第26章 熱さまシート S×A










A side






とっても目覚めのいい朝だった。


体がすっきりと軽くて。
起きた感じ、体調もいいし。


何より目の前に翔ちゃんがいるから。



最近は忙しくて、
なかなか2人でこうして朝を迎えるって
機会もなかったし。




…そういえば、昨日…。


思い出して、顔がぼっと熱くなった。


結局翔ちゃんを置いて、
俺だけ先に寝ちゃったのかなぁ…。



翔ちゃんはいつもそうだよ。


俺に絶対に無理させないで、
自分ばっかり無理をする。我慢する。


昨日も俺が先に寝ちゃったから、
あとの世話もしてくれて、
熱さまシートまで貼ってくれて。


それはもうカピカピになっちゃってるけど、
翔ちゃんが貼ってけれたんだと思うと

なかなか捨てることが出来なかった。





布団の中にはいるけど、
すっかり目が覚めてしまって。

だけど、翔ちゃんと離れて
リビングに行く気にはなれなくて。


ただじーっと、翔ちゃんの顔を
眺めてた。



俺の彼氏は、格好いい。

だけど、ベビーフェイスで
愛くるしいところもある。

不器用で。
ビビリだけど…。
片付けも苦手だけど…。


だけどそんなところがあるからこそ、
余計に愛おしい。




しばらくはそうして翔ちゃんを
眺めてたんだけど、


「翔ちゃーん。」


そろそろ出ないと。


時刻はもう昼前。


3時にはチェックインが出来るから…。

あ、でもゆっくり観光してからでも
いいかもしれないなぁ…。


なんて、気分はもうすっかり旅行。



そうと決まったら、いてもたっても
いられなくなって、


「翔ちゃーーん。
起ーきーてー。」



いつもならこれくらい起こせば、


「んんー…おはよー。」


って、ぴょんって寝癖の1つつけて
起きてくれるのに…。


…寝起きの翔ちゃん、可愛いのに…。




「翔ちゃん?」


翔ちゃんをぎゅっと抱きしめると、


「あつっ…。」


体が熱い。


昨日の俺みたい…ってことは、


「熱!?」



大きな声が出てしまって、
翔ちゃんがむくっと起きてしまった。

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