DAYS
第26章 熱さまシート S×A
起き上がった翔ちゃんは、
きゅっと下を向いたまま。
「ごめん!翔ちゃん起こしちゃった!」
「んー…。
だいじょーぶー…。」
俺の声に、顔を上げた翔ちゃんは
瞳をうるうるさせて。
頬は赤くなっていて。
あのぽってりとした唇を
半開きにさせて。
昨日、俺を男らしく突いてたのに
今は子供っぽい感じがしてて。
すぐに分かった。
あー、熱があるってこと。
翔ちゃんは、熱が出ると
可愛くなる。
その時の破壊力ときたら
もう本当に凄くて。
「翔ちゃん、寝よっか。
今日は家でゆっくりしようね。」
「んーん…。
だって、もう家でなきゃ
ダメな時間だもん…。」
「いや、でも翔ちゃん。
熱あるでしょ?」
熱のせいか、座ってるだけで
ふらふらしてる翔ちゃんの体を
ゆっくりと倒す。
「やだやだやだやだぁー…。」
子供みたいに手足をバタバタさせて、
抵抗してます風の翔ちゃん。
全然力が入ってないのが、
熱がある証拠だよ? 翔ちゃん。
「熱あるから仕方ないでしょ?」
「熱なんてないもんー…。
ねぇ、まぁーくん…。」
「まぁーくん!?」
いつもと違う呼び方。
鼻血出るかと思った…。
大丈夫かな、俺。
心臓がバクバクいってる。
…病人相手にドキドキしてる俺って。
「しょうね、大丈夫だから。
だから、旅行。行こぉー…?」
「絶対に大丈夫じゃないから。それ。」
今日はいつもよりも、熱が高いみたい。
こんな翔ちゃん見たことないもん。
しかも自分のこと、翔って言ってるし。
寝かせようと思ってるのに、
俺に抱きついて離れてくれない。
大変可愛いんだけど、
でもその体は熱くて。
「ね、寝よう。
俺も寝るから。」
「やだぁー…。」
ますます力を込めて、
ぎゅーーっと抱きついてくる。
翔ちゃんの熱い吐息が、
首筋をくすぐってて、
体の奥がきゅんってなった。
その刺激だけでも、体が覚えてる。
昨日の夜の体の熱が蘇ってくる。
10分くらいそうしていたら、
静かな寝息が聞こえてきた。
「はぁー…。
やっと寝てくれた…」