DAYS
第26章 熱さまシート S×A
それから特に何をする訳じゃなくて、
ただただくっついて過ごしてた。
残りの2日間のオフの間中、ずーっと。
離れるたって、トイレくらいだと思う。
それくらいずっとくっついてた。
でもアウトドアだから、雅紀。
だから本当はどこかに行きたいんじゃ
ないかと思って、
「どこか行く?」って聞いても、
「翔ちゃんの隣ならどこでもいい。」
「こんなに堂々とくっついてられるの、
ここだけだもん。」
「こんなオフもいいでしょ?」
だから、このままがいい。
そう言って、俺の腕の中で笑った雅紀は、
すごくキレイで。
すごく幸せそうで。
俺まで幸せになった。
「コーヒー飲む?」
「うん。飲む。」
「あ、プリンもある。」
冷蔵庫を覗きながら、雅紀が言う。
「翔ちゃん食べる?」
「食べる。」
「即答だね。」
本当好きだよね、って笑われる。
だって美味しいじゃん。
たとえたこ焼きのソースになっても。
「はい。どうぞ。」
湯気のたったマグカップ2つと、
プリンが1つ。
「あれ、1つしかなかったの?」
「うん。」
「一緒に食べる?」
「いいよ、俺は。
翔ちゃんが美味しそうに食べるの
見るのが好きなの。」
そう言って、マグカップを両手で持つと
ふーふーしながら俺を見てる。
これ。絶対にそこら辺の女子より可愛い。
こういうことをわざとじゃなくて、
普通にするもんだから、
俺は気が気じゃない。
自分がどれだけ可愛いか、
まったく気がついてないんだから。
困った彼女さんだよ。
「そんなに見てちゃ食べにくいよ。」
「えー。
だってプリン食べてる翔ちゃん可愛い。」
むふふって笑う雅紀。
「雅紀も食べる?」
ひょいっとスプーンを差し出すけど、
首を横に振られた。
「翔ちゃんが食べさせてよ。」
スイッチが入った時の顔。
口に含んでから、
雅紀にキスをする。
キスがこんなにも甘いのは、
プリンのせいだけじゃない。
毎日こんなに甘いキスしてたら、
糖尿病になっちゃうな。
なーんて。
-end-