DAYS
第26章 熱さまシート S×A
S side
起きた時には、すっかり日が暮れてて
もう夕方だった。
「んー…。」
オレンジの光が差し込んできてて、
しばし見惚れてた。
朝はあれほどだるかった体も、
今はすっきりしてて。
何だか別の意味でも、
妙にすっきりしてるんだけど。
主に下半身がね。
俺、何かしたっけな。
周りを見わたすと、
愛しい恋人の姿がなくて。
「雅紀?」
名前を呼んでも、やっぱり返事がない。
どこ行ったんだよ…。
こういう時、寂しいって感じるのは
体が弱ってるからなのかな。
何だか無性に雅紀を抱きしめたくて。
雅紀にぎゅっと抱きしめてもらいたくて。
リビングに行こうとベッドを降りたら、
「むぅっ。」
足元に柔らかい感触…と同時に、
奇声が聞こえてきた。
あ、と思って
ぱっと見てみれば、
「わっ!ごめん!雅紀!
…って、え?」
柔らかい感触の正体は、雅紀で。
だけど、なぜか半裸の恋人。
下はパンツだけだし。
「こんなとこで寝てたら、
体壊すぞ!」
慌てて床に転がったままの恋人を
抱えあげて、ベッドに寝かせる。
「雅紀。雅紀。」
すっかり冷えてしまってる体を
優しく揺すると、
「ん…、翔ちゃ…ん?」
「雅紀…。大丈夫?」
「んぅ、寒っ…。」
ぶるっと体を震わせると、
「翔ちゃん…。
こっち来て。」
甘えた声で、腕を伸ばす。
それがまたとにかく可愛くて、
ふっと笑ってその腕をとる。
「何でそんな格好なの?」
「何でって…。
やっぱり覚えてないんだね。」
はぁ、と呆れたようにため息をつく。
「翔ちゃん。襲ってきたんだよ。」
「は!?
え、嘘。」
「ほんと。
もー…腰が痛くて大変なんだからね。
しかも寝相悪いから、
突き落とされちゃったし…。」
痛かった…って、
ちょっとうるうるおめめの雅紀。
「ごめん…。」
ひたすらぎゅっとする。
耳元で何度も何度も囁いて。
どんどんと真っ赤になって雅紀の顔。
夕日のせいなんかじゃないでしょ?