
DAYS
第28章 ヤキモチの答え M×A
雅紀が知らないことなんて、
…あるっけ?
そりゃ、分かり合えないところだって
時にはある。
お風呂はぬるめがいい。
いや、俺は熱いのがいいんだ、とか。
それは仕方がない。
雅紀の言ったとおり、
俺たちは「他人」なんだから。
どうしても難しいところだってある。
だけど、雅紀が言ったように
俺だって限界まで分かり合いたい。
他人だからって、諦めたくない。
雅紀を理解したいんだ。
それと同じように、
俺のことも雅紀に分かってほしいからって
色んなことを言ってきた。
付き合い初めて、一緒に暮らして。
かなり長い間、一緒にいる。
出逢った頃から数えれば、
もう人生の半分くらいじゃない?
それなりに、雅紀も俺のこと
しってくれてるんじゃなかったの?
「本当に知らないこと?」
「うん。知らない。」
雅紀が、キラキラした笑顔で答える。
え。
まさかここで衝撃カミングアウトとか
やめてほしいんだけど。
いや、カミングアウトしなきゃ
いけないようなことはないよ!?
ないけどさ…。
そんなにキラキラした顔されたら、
なんか…怖い。
「俺の知らない潤だけどね、
絶対に可愛いと思うの。」
「は?可愛い?」
「うん。
だからさ、潤。
今日は…抱かせて?」
「へ?」
すんごい間抜けな顔してんだろうなって、
ちょこっとだけ頭の隅で考えて。
くすっと自分で笑っちゃって。
冷静になってから気が付く。
俺の置かれた状況に。
…抱かれる?
俺が?
