
DAYS
第28章 ヤキモチの答え M×A
「…ベッド行こ?」
雅紀が俺の少し前に立って、
振り返って俺を見る。
さっきも見た雅紀の後ろ姿。
さっきは、あんなに可愛いと思って
見てた背中も、今はドキドキするだけ。
…って、俺は乙女か。
気持ち次第でこんなに変わるんだ。
今日、俺どうなるんだろ。
雅紀って、いつもこんな気持ち
なのかな。
そう思ったら、もっとドキドキしてきた。
「潤?」
ボーッとしてるままの俺に、
優しく声をかける雅紀。
それだけなのに、また心臓が跳ねる。
「行かないの?」
「い、いや。行く…。」
「あ。」
急に何かを思い出したかのように、
俺の方へすたすたと向かってくる。
「へ?へ?
どうしたの、雅紀ー…」
俺が声をかける前に、
俺の腰に手を回してくる。
「え?ちょ、何してー…」
「ほら。じっとしてて。
ちゃんと掴まってて?」
いつになく真剣な雅紀の横顔に、
もう何も言えなくなる。
…本気、なんだ。雅紀。
さっき決めたはずの覚悟が
揺るぎそうになる。
何だけど、
「…ぅわっ。」
何にもない、フラットなところで躓く。
雅紀が躓くもんだから、
俺も一緒に体がぐらっと傾く。
思わず、首に回してた手に
ぎゅーっと力を込めた。
「…ちょっ、あっぶね!」
「えへへ、ごめんごめん。」
眉をきゅっとはの字に下げて、
照れたように雅紀。
そんな雅紀を見て、
さっきまでの緊張も吹き飛ぶ。
俺、やっぱり雅紀が
好きなんだよなぁ…。
こうやって男らしく、
俺を抱きかかえるところをみて、
やっぱり雅紀も男なんだって
思って。
…やばい。
またドキドキしてきた。
