DAYS
第29章 エメラルド O×S
こんなことは、前にも何度かあった。
俺が調子に乗っちゃった時のあととか。
「和?」
って顔を覗き込めば、
決まっていつも
「…うっさい。」
って。
真っ赤な顔していうんだ。
何だかそれが、すごく
「和」らしくて。
好きなんだよなぁ。
ついつい言わせたくやっちゃうんだよ。
そうやって言うって分かってて、
和に聞く俺はズルイけど。
「和、ごめん。俺…。」
まだ俺の太ももの上で、
くてっとしたままの和に問いかける。
「…。」
でもやっぱり返事はないし。
え!?
もしかして…
がばっと和の体を離して、
和を正面から見てみれば
「…見んなぁ…っ。」
よかった…。意識は飛ばしてなかった。
ずっと何の反応もないから、
てっきり飛ばしちゃったかと…。
「和、ごめん。」
「…腰、痛い。」
「すいません。」
「喉も痛い。」
「…はい。」
でも今日の和の声、堪んなかったなぁ…。
いつも可愛いんだけど、
今日は何だかとっても甘くて。
「…ふふ。」
思い出しちゃって、思わずニヤケちゃった。
そこでハッとして、
和の顔を見てみたら
あ…。
じーっと冷たい目で俺の方を見てる。
「…それも可愛いんだけどな…。」
なんてポロッと言っちゃったもんだから、
また1人で焦る俺。
いつもならここで1発くらい
叩かれちゃうとこなんだけど、
やっぱり今日の和は可愛い。
「…バカ。」
唇を尖らせて、
俯き加減でそんなことを言うんだもん。
しかも、顔を赤くして。