DAYS
第29章 エメラルド O×S
「うん、ごめんね。
和が可愛すぎて、
止まんなくなっちゃった。」
「っ! もー…。
でもね…。」
「ん?」
何か言いたげに、
俺のほうを見てる和。
口をぱくぱくしてるから、
何言うのかなって少しワクワクしながら
和の口元に耳を寄せた。
そしたらね、
「…キモチ良かったから…
許す。」
「ーーっ!」
顔に一気に熱が溜まった。
顔がぶわっと赤くなってくのが、
自分でもはっきりと分かったくらい。
やばいやばい。
逆上せちゃう、俺。
体の熱が、全部頭のほうに
のぼってきてる。
しかも今日の和はそんなもんじゃなくて、
「…潤のこと、大好きだから…。
いつも言えなくてごめんね。
俺、ずっと潤のものだから…。
潤も俺のだから。
翔さんに余所見なんてすんなよ…。」
素直じゃない和の、
精一杯の言葉。
やばい。
俺、キャパオーバーしてる。
長い間一緒にいるけど、
素直な和にはいつまでも慣れない。
俺にはいつまでも新鮮で。
ここまで素直な和って、
すんごいレアなんだからね?
しかも、お酒入ってないんだよ?
シラフでこれなんだもんなぁ…。
我慢してたのに、
やっぱりダメで。
「あ…。」
「ちょ、潤!?」
鼻から、赤いヤツが垂れてきて
慌てて手で押さえた。
まさかとは思ってたけど、
ホントに鼻血出す俺って
めっちゃ格好悪いヤツだな…これ。
「ほら!ティッシュ!」
何枚かばっと取って、
垂れた血を拭き拭きしてくれてる。
必然的に、和は上目遣いに
なっちゃってるわけで。
必死になってる健気な和の姿に、
あ、ダメだ…。
「え!?潤!?!?」
フェードアウトして、
真っ暗な世界へ飛びこんでしまった。