DAYS
第5章 Because I love You S×N
N side
最近、何だかイライラしてる。
「ねぇねぇ、翔ちゃーーん。」
「ん?どうしたの?」
仲良さそうに並んで座って、
スマホを見て二人で笑ってる。
ちょっと近すぎない!?
しかもめっちゃ楽しそうだし。
1人がけのソファーに、相葉さんが
無理やり割り込んだから密着度がすごい。
「あの距離、俺のなのに…。」
ゲームをしたまま、ボソッと呟く。
ちらっと見ると、二人は笑いあってて。
本当に楽しそうだから、割って入って
邪魔することも出来なくて。
「翔ちゃん、眠くなってきたぁー。」
「えー?ちょ、ここで寝ないでよ。」
相葉さんが翔ちゃんにもたれかかって
寝ようとしてる。
…嫌がってるフリしてるけど、
顔が満更でもなさそうだし?
ゲームに集中してるフリはしてるけど、
全然上手くいってない。
いつもなら、簡単にクリアできる
ステージなのに、
さっきから同じとこで止まってる。
相葉さんは結局、翔ちゃんの腕に
もたれかかって寝てるし、
翔ちゃんはそんな相葉さんを見て、
優しく微笑んでる。
わかってる。
メンバーなんだから、こんなことくらい
あるってこと。
相葉さんは、愛されキャラだから、
仕方がないってことも。
翔ちゃんが相葉さんに甘いことも。
…自分がヤキモチ妬いてるってことも。
仕方ないじゃん。
好きなんだもん。
でも、素直になれないんだもん。
俺以外とくっつかないで。
なんて、仕事上無理な話だし、
そんなの困らせるだけだから。
でもさ。
あんまりほっとかれたらさ、
…寂しい。
なんて、ぜっっったいに言えないけど。
「翔ちゃん。」
「どしたの?智くん。」
今度は大野さんと喋ってるし…。
「今日、飲みに行かない?」
「今日?」
「うん。」
「うん。久しぶりに行こっか。」
「じゃ、決まりね。」
こんなのいつものこと。
いつもの光景。
よくあること。
それなのに、今日は上手く
気持ちのコントロールが出来なくて。
力を抜けば、口を開けば
心無い言葉が出てきそうで。
黒い感情に呑み込まれそうで
怖い。