DAYS
第5章 Because I love You S×N
収録が終わった後、
楽屋で翔ちゃんがこっちに来て
「ごめん。今日、智くんと飲みに行くから、
先に帰っててね?」
「…分かった。」
「なんか元気ない?どうしー」
翔ちゃんが俺の顔を覗き込んで、
声を掛けようとしたとき
「翔ちゃーん。行くよー?」
出入口のほうから大野さんの声。
「うん。今行くよ。」
って、簡単に返事をして、
「何かあったら、連絡してきて。」
それだけ言い残して、大野さんと
二人で楽屋を出ていった。
楽屋に残ったのは、俺と相葉さん。
Jは仕事が立て込んでるからって、
すぐに帰っていった。
「ねぇねぇ、ニノー!俺らも
飲みに行くー??」
相変わらずテンションが高いやつだな。
いつもなら、
「えー?やだ。」
って帰るとこなんだけど、今日は
何だか1人になりたくなくて
「行く。」
って即答した。
「ほんと?やったぁ!
でも珍しいね、ニノが乗り気なのって。」
「うっさい。行くぞ。」
「え、え。うん!」
急いで鞄を引っ張って、ついて来る。
「どこ行くの?」
「お前んち。」
「へ!?」
「なんか都合悪いの?」
「俺んち、何にもないけどー」
「帰りに買って帰ればいいじゃん。」
「あ、そっか。」
…天然なのか、馬鹿なのか、
両方なのか…。うん。
相葉さんを俺の車の助手席に
ぽーんと放り込んで、車を相葉さんの
家へと走らせる。
「ニノちゃん、何かあったの?」
「…うっさい。」
「翔ちゃん?」
「…。」
「ふふっ。分かりやすいね。」
相葉さんだけは、俺と翔さんの関係を
知ってる。
話した…っていうかバレた。
変なところ、この人鋭いから。
翔さんと付き合って、もう4年が経つ。
それよりずっと前から
相葉さんには相談に乗ってもらってた。
「想い、伝えなきゃ伝わらないよ!?
ちゃんと向かいあって!
自信持って大丈夫だから。」
って、泣きながら必死に言う相葉さんに
後押しされたんだっけ。
…相葉さんも翔さんが
好きだったのに。
でも今は、
そんな相葉さんにも恋人がいて。
口を開けば、
「潤がね、潤がね。」
って。
幸せそうだな…。