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DAYS

第31章 Make your ... O×N








「飲んだから、今日は泊まってく
んでしょ?」


相葉さんが、新しいビールを
冷蔵庫から取り出しながら言ってる。

一缶開けたみたいで、
プシュッとお馴染みの音がした。

飲む気満々じゃん。
飲ませる気も満々じゃん。



だけど今日は帰りたい。


「いや、帰るよ。」
「え?何で?
明日の朝早いとか?」
「いや、明日は午後から。」
「じゃあ、何で…珍し。」


相葉さんの本当の気持ちを
聞いたあと、一緒にいるのは
すごい気まずいから、

なんてことは言えない。


きっと、相葉さんはそうなるのが
嫌で、黙ってるんだから。


だったら、俺も知らないフリを…



でも、出来ないよ。

人の気持ちを見て見ぬフリなんて
出来る訳がない。

相葉さんの気持ちを
なかったことになんて出来ない。


好きって気持ちを隠すほど、
奥にしまい込んでしまうほど、

苦しいことなんてない。


でも、そんなことを
平気でやってるように見せてるんだ、
この人は。

たまに見せる、ひどく悲しい笑顔の
意味が分かって、涙が出そうになった。


そんな俺に気が付いたらしく、
相葉さんが


「…ニノ?具合悪い?
大丈夫?」

優しく俺の背中をさすってくれてる。


なんでこんなに優しく出来るんだろ。

俺だったらきっと無理だ。

たとえ相葉さんにだって、
大野さんのことを渡したくないって
そう思うだろうから。


「ごめんね…。」
「なになに、今度は。」


今日は謝ってばかりだね、
ニノちゃん。

なんて、ふざけた口調。


その笑顔の裏に何があるの?

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