
DAYS
第31章 Make your ... O×N
その日のうちに、
俺は大野さんのものになった。
どちらともなくキスを初めて、
深く深く交わっていく。
優しく、宝物を扱うようなセックスだった。
それが、どれだけ我慢のいるものか、
同じ男ならよく分かる。
愛されてるんだって、思った。
この人のことをずっと愛したい
って、思った。
俺の名前を呼ぶ声も。
密着した肌から伝わる体温も。鼓動も。
大野さんが漏らす、色気ある吐息も。
その温度も。
今日のこと、絶対に忘れないから。
「…なぁ、和也。」
「ん…?」
ベッドの上。
大野さんの腕枕の中。
「和也に見せたいものがあるんだ。」
「俺に?」
「うん。
…って言っても、まだ未完成なんだよ。」
未完成なの?
全く意味が分からなかった。
「和也がいて、初めて完成できそうな
気がするから。
見てほしいんだ。」
大野さんの瞳は、真剣そのもので。
大野さんの絵なら、今まで
たくさん見てきた。
だけど、それは絶対に完成されたもので。
作ってるところ、見せて?
って頼んでも、
恥ずかしいからやだって言われたりで、
今まで見たことがない。
それを許してもらえた特別感が、
俺の胸を温かく包む。
「アトリエまで歩ける?」
「たぶん。」
嘘だ。
本当は腰が辛い。
立つのもままならないほどだから。
そんな俺にすぐ気が付いて、
「あ…そっか。」
何の躊躇いもなく、お姫様抱っこをされる。
「え。」
「じっとしててね。」
キスを1つ、まぶたに落とされて。
いつものキャラじゃないスマートさに、
きゅんときたのは言うまでもない。
