
DAYS
第31章 Make your ... O×N
ポツリ、ポツリと
大野さんが言葉を紡ぐ。
「 翔くんのことが好きなんだと
思ってた。
自信が持てなくて、
踏み出せなかった。
こんな俺だけど…。
俺、ニノ…和也のことが好きだ。
結婚してください。」
「…。
へ?」
大野さん、何いいこといってくれてんの
って、涙がじーんと出てきてた
のに、
最後の言葉で全部引っ込んだ。
「け、け、結婚!?」
「和也、動揺しすぎ。」
ははって、爽やかに笑ってるけどさ。
驚かないほうが無理な話だよ。
しかも…和也って。
初めて呼ばれた。
自分の名前のはずなのに、新鮮で。
自分の名前が好きになった。
「和也」って呼ばれるたびに、
大野さんがもっと好きになるような、
甘酸っぱい感覚にドキドキする俺。
女子かよ。
「結婚って…。
普通、付き合って?とかじゃ
ないの?」
「ん?そうか?」
「そうかって…。」
「 だって俺、お前のことを
これから先ずっと、幸せに
したいから。
付き合ってって言葉じゃ、
足りないって思ったんだよ。」
不器用な人の、精一杯の言葉。
これ以上ない言葉だった。
ずっと堪えてたのに、
込み上げてくるものを抑えきれなくて
泣いた。
「あーあー…。泣かせちゃった。
和也、返事は?」
「…っ、俺も、さとしが好き。
だから、ずっと、一緒に、
いてほしっい…っ。」
嗚咽混じりで、何を言ってるのか
自分でも分からない。
それでも、大野さんは
「ありがとう。」
って。
今までで1番優しい笑顔をくれた。
