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DAYS

第5章 Because I love You S×N



N side



目が覚めるとお腹に違和感。

「…っ、入ったままじゃん。」


こっちは大変だっていうのに、
隣の翔さんは気持ちよさそうに寝てる。

起こすのも気が引けたし、
その顔をしばらく眺めたかったから
動かずにいたんだけど…。


「やっぱり無理…。


ごめん、翔さん。」


翔さんからゆっくりと体を離して、
俺の中から翔さんのを引き抜く。


「んんっ…あっ。」

思わず声が漏れてしまって、
やばいと思って口を押さえるけど


「…まだ足りなかった?誘ってるの?」


翔さんが妖艶な顔で俺を見ながら
聞いてくる。


「え。無理、腰が痛いから、っん。」

かばっと俺を抱きしめたかと思うと、
ちゅっと優しいキスをくれた。

結局敵わないんだ。翔さんには。


ヤキモチ妬いて、拗ねて
素直に甘えられないような俺を
ずっと優しく見守ってくれた。
大切にしてくれた。
愛してくれた。


4年が経って、環境や状況は変わったけど、
ずっと変わらないものがあって。

俺の胸の中に。
俺の隣に。


そこは愛があって。どこよりも温かくて。
そこには想いがあって。
どんなものよりも鮮明に。


「翔さん、大好きです。」
「…え?まだ酔ってるの?」
「…ひどい。」
「え、あっ、ごめん!」


必死に謝ってる姿は小さくて。
…可愛い。


「大好きです。」


今なら言えるから。


大切な人が、時間が、空間が。
その全部が今の俺を作ってる。

それは翔さんがいてくれるから出来るから。
翔さんがずっと居てくれたから。


俺の好きって言葉に、
泣きそうな顔して
「かず…。」

そう言って抱きしめてくれる翔さん。


好きになったのも、
告白したのも俺。

俺ばっかりじゃないか?って不安だった。
でも、
翔さんはこんなに俺を愛してくれてて。


俺ばっかりでもいいなって、今思う。

だって好きだもん。
大好きだもん。
愛してるもん。


「翔。」

名前を呼べば、驚いた顔をしてる。

「今、名前呼んでー」

今までくれた愛を、今度は俺がちゃんと
伝えていけるようにするから。

「だって、愛してるもん。」

-end-

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