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DAYS

第6章 三回目の愛図 M×O


M side


ピーンポーン

時計の針は、11時を少しまわった頃、
家にインターホンが響いた。

仕事は少し残ってるけど、夕食も終わって
お風呂に向かおうかと思ってた時だった。


「こんな時間に珍しいな。」


宅配便?
いや、でも何も聞いてないしな。

リビングの入口にある画面を覗くと、

「え?」

見覚えのある顔。
っていうか、昼間も会った顔。


「まつじゅーん。あーけてー。」
「え、あ、うん。」
「あーけーてーー。」
「分かった!分かったから。」

マンションの入口でそんなに叫んじゃ
まずいでしょ、色々。
時間的にも、あなた的にも。

しばらくすると、

ピーンポーン
ドンドン ドンっ

「あーあー。」

急いで玄関まで走って、玄関のドアを開けると
やっぱり、


「リーダー、どうしたの?」


俺の目の前にいるのは、
ジーパンにTシャツにパーカー着てる
ラフな格好のリーダー。

「来た。」

うん。それは分かるよ。

「とりあえず、中入って。」
「ありがとー。お邪魔しまーす。」

靴を脱ぐと、俺の後に続きながら
周りをキョロキョロ見てる。


「どしたの?」
「いや、お洒落だなって。

また模様替えした?」


真剣な顔で、部屋のインテリアとか
証明とか、レイアウトを見てる。

「お褒めに預かり光栄です。」
「うむ。実に素晴らしい。」

腕を組んで、渋い顔してグッドサインを
してる。
この人のこういうノリとか雰囲気が
すごく落ち着く。


リーダーは最近俺の家によく来る。

『今日、行くね。』

ってメールしてから来る日と、
今日みたいに突然来る日。

まぁメールでも、もう確定してる感じの
文章を送ってくるんだけど。


そうやって来る日は、決まって
次の日がオフの日で。
ちゃっかりお泊まりセットを持ってきてて。

こんな感じのことが、もう半年くらい
続いてる。
家の中には、リーダーの私物も増えてきて
あんまり多いから、棚を一つ買ったぐらい。


こうやって来る理由は分からなくて。

リーダーは話さないから、
俺も聞かない。

聞いたら、もう二度と来ないような
気がするから。

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