テキストサイズ

DAYS

第6章 三回目の愛図 M×O



O side


いつもそうだ。

どんな時間に行っても、
何も連絡しなくても、
一つも嫌そうな顔をせずに松潤は
俺を迎え入れてくれる。

…そりゃ、困った顔はしてるけど。


オフがある前の日は、ほとんど松潤の家に
いる。
何だか居心地がよくって。
ゲストルームのベッド、最高だし。
作ってくれるご飯は美味しいし。

迷惑だってことは分かってるんだけど、
気付けば松潤の家に行って。



「何か飲む?」
「大丈夫だよ。お構いなく。」
「こんな時間に来ててよく言うよ(笑)

じゃ、俺がコーヒー飲みたいからさ、
一杯付き合って。」

そう言って微笑みながら、二つのマグカップを
手に持った松潤が、ソファーの俺の隣に座る。

揺れる濃い琥珀は、芳醇な香りを
部屋全体に漂わせている。


「あ、そういえばご飯食べたの?」
「食べたような…。」
「覚えてないの?」
「作品作ってて、あんまり覚えてないや。

そういえばお腹空いてるかも。」

マグカップにふぅーふぅーと息を
吹きかけながら冷ましていると、
松潤の呆れたような声が聞こえてきて

「絶対食べてないね。
こんな時間だから、簡単なものにしよっか。」

そう言って、キッチンに向かっていった。
本当に優しい。

でも、一番年下なんだよなぁ。

その優しさについつい甘えてしまって、
こうやって通ってるんだけど。


松潤と一緒にいると、
ふわふわした気持ちになって、
優しい気持ちになって、
もっと一緒にいたいなって思える。

他のメンバーとは、少し違う気持ち。
でも、それがよく分からなくて

「何なんだろうなぁ…。」

思わず口に出してしまったら、

「ん?どうしたの?

ご飯、もうちょっとで出来るから待ってて。」
「あ、うん。ありがと。」


すっきりしない気持ちを抱えたまま、
答えを探すけど全くダメで。

ソファーの上で、うーんと唸っていたら、


「今度はどうしたの?」

ってキッチンでくすくす松潤が笑ってる。
その顔は少年っぽくって。
そんな松潤を見たら、また気持ちが
モヤモヤしてくる。

「もうすぐ出来るよー。」
「はぁーい。」

考えるのはやめよ。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ