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DAYS

第34章 Lives M×O



俺が何を言いたいのか、大半は分かった
みたいで、

「あー…。そうかもね。

俺も、こうやって智を1日抱きしめて
過ごせるなんて思ってもなかったから
幸せだよ。

…風邪ひいてるけど。」


途中まで、すごくキラキラしてたのに
途端に拗ねた顔をする。

やっぱり、そういう顔は末っ子って
感じがする。

俺の好きな顔のひとつ。


可愛いなぁ、なんて見つめてたら

「なぁ、智。」
「ん?」

「もう1つの誕生日プレゼントは?」


…もう1つの誕生日プレゼント?

俺の頭に浮かぶはてなマーク。

「約束したじゃん。

誕生日に、智をくれるって。」


さらにぎゅっと引き寄せられて、
耳元で甘く囁かれるから、思わず体が
ビクッと跳ねた。


確かに約束はした。

誕生日プレゼントに俺が欲しいって言うから、
じゃあって覚悟を決めたんだった。


覚悟は決めたけど、

「風邪引いてるじゃん!
しかも2人とも!」

危うく忘れそうになったけど、
俺たちは風邪を引いてるからベッドに
ずっとこうやっている訳であって。

俺だって忘れてたわけじゃない。


「いいよ。風邪なんて。」
「悪化したらどうするの!」

その時はその時って、掛かってた布団を
パッと下へ放り出した。

あっと言う間に組み敷かれて、
オスの顔した潤が俺を見下ろす。


「…いい?」
「…ほんとに?」
「ほんとだよ…。」

潤の顔がゆっくりと近付いてくる。

キスだ…。

そう思って、俺も覚悟を決めて
瞳を閉じた。

来るであろう感触を待っていたら、


「…へっくしょん!」

「あーあー!言わんこっちゃないじゃん!」
「だって欲しかったんだもん。」
「体調万全な時にしよ!ね!?」


布団の存在なんて忘れて、
汗をかいたままのシャツで2人、
言い合いをしてた。


次の日、案の定風邪が悪化したのは内緒。

ってか、俺ら、いつ結ばれんだよ…。



こんな誕生日も俺ららしい。愛おしい。



来年も一緒だよね?

来年はちゃんとお祝いするから。


リングに乗せた想いは永遠に…。


『Lives』



-end-

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