
DAYS
第35章 ホント S×O
S side
今日も俺は、家の中を慌ただしく走る。
スリッパをパタパタと鳴らしながら。
あ、ほら。また呼んでるみたい。
「ねー、しょうくーん。」
「あー、はいはい。タオルね。」
俺の彼氏は…というか、旦那さんは
亭主関白なのかもしれない。
お風呂に入ってた智くんが
俺を呼んだかと思うと、
「タオル持ってきて。」って。
「はい、どうぞ。」
「ふふ、ありがとう。」
「もう、いい加減持っていこうよ…。」
「えー、だって忘れちゃうんだもん。」
ありがとって、柔らかい笑顔を添えて
言うもんだから、俺もついつい許しちゃう。
それにお風呂上がりの智くんは、
飛びっきり色っぽい。
華奢なラインだけど、引き締まってて。
薄ら割れた腹筋とか、
滴り落ちていく水だとか。
そんな智くんからのお願いを
聞けない訳がない。
って、この前智くんに言ったら、
「翔くんって、お風呂を覗きたい
ムッツリタイプなの?」
って真顔で聞かれた。
ムッツリって…。
自分の恋人をムッツリ扱いするかね。
とにかく、あんまり智くんの裸を
眺めていたら体が熱くなるから
「ご飯もうすぐで出来るよ。」
それだけ言い残して、
さっさと風呂場をあとにした。
お風呂から上がったあとに飲む
お茶を用意して。
作っていたご飯を温めていく。
同棲をして、もうすぐ半年。
簡単なものだけだけど、
少しずつ料理が出来るようになってきた。
