
DAYS
第35章 ホント S×O
「足りてる…。」
「そっか。」
体をすっと離すと、何か言いたそうな顔。
だって、足りてるんでしょ?
この期に及んで、
まだそんなこと言えるくらい余裕なんだろ?
「ね、翔くん。」
「どうしたの?」
「窓開けてくんない?暑い。」
パタパタと手でシャツをあおいでる。
チラつく鎖骨の綺麗なライン。
「ずるいなぁ…。」
智くんには聞こえない程度の声で呟く。
そんなひとつのモーションで、
俺の体はすぐに熱くなる。
智くんもそうじゃないの?
「開けるの?」
「うん。お願い。」
それだけ言うと、ベッドにバタンと
伏せてしまう。
「大丈夫?智くん。」
「ん…。」
反応してはくれてるけど、
それでもやっぱり俺を見てくれない。
だんだんと智くんの呼吸は荒くなる。
「智くん?」
窓を開けたあと、俺もベッドに横になる。
ドアの向こうで、足音がした。
隣の寝室に2人が入っていく音がする。
「やっぱりまだ暑いよ…。」
「汗かいてるもんね。大丈夫?」
額に浮かぶ汗を、なぞるように拭えば
「…ぅあっ。」
体が跳ねる。
もうさすがに2回目になると
気が付いたみたい。
「翔くん、何かした?」
「んー?」
「やっぱり体、変…。」
「どうする?」
「体、熱いから…。冷まして!」
半ば叫ぶように言った智くんが、
俺に抱きついてくる。
「うん。冷ましてあげる。」
松潤の家だってこと、覚えてるのかな?
