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DAYS

第35章 ホント S×O






「ねぇ、起きて。起きて、翔くん。」


夢の中で聞こえてきていたと
思った言葉は、リアルのものだった。

智くんの声で、俺はゆっくりと目を開く。

澄んだ瞳に俺が映る。


「ん…。」
「今日、仕事オフだってなってたけど
急遽取材が入ったって。

あと1時間で、マネージャーが
翔くんのマンションまで迎えに来るから
それまでに帰らないと。」
「それはまずい。」


あと1時間で来るなら、まずあれをして、
それから…。


頭の中で急いでスケジュールを組んだ。

ある程度決まったところで、動き出そうと
ベッドから起き上がれば、

下半身に違和感。


「なぁ、コレ。」
「コレってなに?」


さぞ分かりませんって顔で見られては
いるけれど、諦めない。


「なんか、変な感じがする…。」


チラっとスウェットを覗いてみれば、


「え…?」
「あ、翔くん。気が付いたんだ。」


見たこともないような顔で、
智くんが笑った。

何で俺のムスコに貞操帯がついてんだよ!!


「それ、暫く付けてようね。」
「何で…外せよ!」
「俺のこと、めちゃめちゃにするような
悪い子にはお仕置きしないと。」


そう言ってまた、さっきのあの
見たことのない笑顔を向けてくる。


どうやら俺は、とんでもない智くんを
見出したらしい。



「これから覚悟しろよ?

…俺の奥さん。」


体がぶるっと震えた。



-end-

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